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人事労務管理最新情報

変化の激しい時代、人事を取り巻く状況も、常に変わっていきます。労働基準法をはじめとする法令はもちろん、労働市場の動向や各種アンケート調査の結果など、経営の視点で人事に関する最新の情報をピックアップしてお届けします。

内閣府が令和8年版「高齢社会白書」を公表
                   R8年8月           

◆令和8年版「高齢社会白書」

内閣府は6月12日、令和8年版「高齢社会白書」を公表しました。これは、高齢社会対策基本法に基づき、平成8年から毎年政府が国会に提出している年次報告書です。統計資料等を用いた高齢化の状況、政府が講じた高齢社会対策の実施状況、令和8年度に講じようとする高齢社会対策について、3章立てで明らかにしています。

◆高齢者就業の現況、施策

本白書には、高齢者の就業にまつわる内容も多く盛り込まれています。

令和7年の労働力人口7,004万人のうち6569歳の者は403万人、70歳以上の者は557万人となっており、労働力人口に占める65歳以上の者の割合は13.7%と、長期的に上昇傾向にあることが指摘されています。65歳以上の就業率も上昇傾向にあるとされ、令和7年の就業率は、6569歳で54.5%、7074歳で36.2%、75歳以上で12.6%となっています。

また、65歳以上の人の約4割が「収入を伴う仕事をしたい(続けたい)」と回答していることも示されています。

その他、令和8年度の就業に関する高齢社会対策としては、高齢期を見据えたスキルアップやリ・スキリングの推進、テレワークの普及などによる高齢期のニーズに応じた多様な就業等の機会の提供などに言及しています。 

◆高齢者雇用における参考に

本白書には、高齢社会の現況や今後の政府の対策について参考となる情報が多く盛り込まれています。雇用における高齢者の存在感は、今後も高まっていくことが予想されます。高齢者雇用の今後を検討するうえでも、ぜひ参照してみてください。

【参考】

内閣府「令和8年版高齢社会白書を公表しました」

https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html

 

労働者の健康保持は「健康づくり」から「働き続けるための健康管理」へ                  R8年8月

健康保持増進の考え方が大きく変わろうとしている

厚生労働省の「事業場における労働者の健康保持増進の在り方に関する検討会」において、THP(トータル・ヘルスプロモーション・プラン)指針の見直し等に関する議論が行われています。

本指針は、昭和63年の策定以来、労働者の健康づくりを支援するために企業に求められる取組み等を示してきましたが、高年齢労働者の増加や疾病を抱えながら働く人の増加など、職場を取り巻く環境の変化を踏まえ、見直しが検討されています。

運動や栄養指導などの発症予防だけでなく、早期発見や早期治療につながる仕組みづくりが重要な論点となっており、健康診断後の精密検査の受診勧奨など、政府の掲げる「攻めの予防医療」を進めるための検討となっています。

企業に求められるのは「健診後」の対応

6月30日に示された報告書案では、今後求められる取組みとして、健康診断の結果を踏まえたフォローアップ、例えば再検査や治療が必要な社員への受診勧奨および受診機会の提供や受診のための休暇の付与等、経済産業省が推進する健康経営との連携、治療と就業の両立支援のさらなる推進などが示されています。

また、改正後のTHP指針に盛り込むべき点や、「職場における心とからだの健康づくりのための手引き」の改定にも言及しており、今後の改正の内容には注目が必要です。

健康経営への関心が高まる中、労働者の健康保持を図ることは人材確保や定着の面からも重要なテーマとなっています。

【参考】

事業場における労働者の健康保持増進の在り方に関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_72639.html

「公益通報ハンドブック改正法(令和8年12月施行)が消費者庁より公表されています!     
R8年8月

 

本ハンドブックは公益通報者保護法の内容をわかりやすくまとめたもので、本年12月1日から施行される改正法に準拠した内容となっています。施行に備えて目を通しておきましょう。

◆公益通報者保護法とは?

公益通報者保護法は、公益のために勤務先の法令違反を通報した労働者の保護や事業者の体制整備に関する規定が定められた法律です。

改正内容(令和7年6月改正・令和8年12月施行)

体制整備の徹底と実効性の向上(勧告に従わない場合の命令権、命令違反時の刑事罰の新設等)、公益通報者の範囲拡大(フリーランスおよびフリーランスであった者を追加)、通報妨害や通報者探索行為の禁止(正当な理由なく公益通報を妨げる行為を禁止し、これに違反してされた合意等の法律行為を無効とする等)、通報を理由とする不利益取扱いの抑止・救済(通報後1年以内の解雇または懲戒は公益通報を理由としてされたものと推定する規定、通報を理由に解雇や懲戒処分を行った行為者および企業に対する刑事罰の新設など)

◆事業主の義務(常時使用労働者数300人以下の事業主は努力義務)

① 従事者指定義務

通報の受付け、調査等に従事する者の指定が義務付けられています。従事者には、通報者の氏名等に関する守秘義務(罰則あり)が課せられます。

② 体制整備、周知等義務

内部公益通報窓口の設置や内部規程の策定、不利益取扱いや通報妨害・通報者探索の防止等公益通報に適切に対応するための体制整備、労働者等に対する周知等が義務付けられています。

【参考】

消費者庁ホームページ

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_partnerships/whisleblower_protection_system/overview/#r7_amendment

政府広報オンライン

https://www.gov-online.go.jp/article/202402/entry-5717.html#secondSection

8月から高額療養費が変わります
                      R8年8月

私たち被保険者が医療機関で支払う一部負担金が高額になったとき、月ごとの自己負担限度額(以下、「月額上限額」という)を超える分は支払わなくてよいこととされ、後から払い戻されます。この超えた分を払い戻す健康保険の給付が、高額療養費制度です。

本制度について、高齢化の進展や医療の高度化により増大する社会保障費に対応するため、年間上限額を設けるなどの配慮をしたうえで、月額上限額を引き上げる改正が行われました。8月からは以下のとおりとなります。

本制度について、高齢化の進展や医療の高度化により増大する社会保障費に対応するため、年間上限額を設けるなどの配慮をしたうえで、月額上限額を引き上げる改正が行われました。8月からは以下のとおりとなります。 

70歳未満の年間上限額と月額上限額

 標準報酬月額83万円以上の方

年間168万円を上限に月270,300円+(総医療費-901,000円)×1%

(改正前は252,600円+(総医療費-842,000円)×1%)

 同5379万円の方

年間111万円を上限に月179,100円+(総医療費-597,000円)×1%

(改正前は167,400円+(総医療費-558,000円)×1%)

 同28万円~50万円の方

年間53万円を上限に月85,800円+(総医療費-286,000円)×1%

(改正前は80,100円+(総医療費-267,000円)×1%)

 同26万円以下の方

年間53万円を上限に月61,500

(改正前は57,600円)

 低所得者の方

年間29万円を上限に月36,900

(改正前は35,400円) 

多数回該当

 本制度には、被保険者の負担軽減の観点から、直近1年間に3回以上高額療養費を受けると、4回目からは月額上限額が下がる仕組みがあります。

この多数回該当の月額上限額も所得に応じて決められており、上記140,100円、93,000円、③④44,400円、24,600円となっています。この額は、長期療養者への配慮から、8月以降も据置きとなりました。

【参考】

【制度改正】令和8年8月から高額療養費制度が見直されます(協会けんぽ)

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/about/business/public_relations/009/002/

個人事業者等の業務上災害報告制度に関する通達を発出~厚生労働省   R8年8月    

労働安全衛生法などの改正に伴い、令和9年1月1日から、個人事業者の業務上災害について労働基準監督署長への報告を義務付ける制度がスタートします。この運用をまとめた通達が、6月24日、発出されました。

特定注文者等の報告義務

報告義務は、直接仕事を依頼した注文者(特定注文者)や現場を管理している事業者(災害発生場所管理事業者)など(以下、「報告主体」という)が負い、個人事業者が業務上の負傷や疾病により死亡または4日以上休業したことを把握したときは、遅滞なく労働基準監督署長へ電子申請により報告しなければなりません。

また個人事業者は、業務上災害により休業したときは、報告主体に対し、遅滞なく所定の事項を報告しなければなりません。この報告を行った個人事業者等に対し、報告主体が取引停止などの不利益取扱いを行うことは禁止されています。

なお、この報告義務と災害防止上の責任には直接の関係がなく、罰則もありません。

 

報告義務が生じる「災害の発生を把握したとき」とは

通達では、この考え方について、個人事業者から報告を受けた場合のほか、報告主体が災害発生を現認した場合、被災者の救助や救急搬送があったことを把握した場合が含まれる、と示されました。

そのため、本人から報告がなくても別の方法で災害の発生を把握しているときは、報告義務を負うことになります。

 

【参考】

労働安全衛生規則及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則の一部を改正する省令の施行について(個人事業者等の業務上災害の報告に係る規定関係)(令和8年6月24日基発0624第5号)

https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001713372.pdf

「女性版骨太の方針2026」が決定されました  
                    R8年8月           

 

 政府は6月25日、女性活躍や男女共同参画の重点方針を記した「女性版骨太の方針2026」を決定しました。「健康」「成長戦略分野」「地域」の3つが重点分野となっています。この中から、特に企業に関係のある内容を紹介します。

女性の生涯にわたる健康支援

企業・保険者等における対応の推進として、以下の取組みが示されています。

 健康投資の加速

事業主が保険者と連携して社員の健康づくりを行う仕組みであるコラボヘルスの強化

 中小企業における健康経営、女性の健康課題対策の強化

女性の健康サポートデスクの設置継続や健康経営優良法人認定事業者に対するインセンティブの実施等、中小企業における健康経営の取組み支援

17の戦略分野における女性活躍

半導体や人工知能(AI)など17の戦略分野等への就業促進(リ・スキリング支援など)や働きやすい職場環境の整備(好事例の周知など)に関する内容とともに、仕事と子育て・介護等との両立支援や多様で柔軟な働き方の実現など、就業継続のための環境整備と企業等の行動変容に関する内容が示されています。

女性が活躍でき、暮らしやすい地域づくり

 強い地域経済の構築の基盤となる女性人材の育成と就業機会の創出に関する内容として、大学を核とした地域の女性人材育成等のための連携基盤(地域構想推進プラットフォーム)の整備促進や、地域女性活躍推進交付金等により地方公共団体が行う取組を推進する、などが示されています。農業や林業における働きやすい環境整備なども盛り込まれています。

【参考】

内閣府男女共同参画局「女性活躍・男女共同参画の重点方針2026(女性版骨太の方針2026)」

https://www.gender.go.jp/policy/sokushin/pdf/sokushin/jyuten2026_honbun.pdf