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変化の激しい時代、人事を取り巻く状況も、常に変わっていきます。労働基準法をはじめとする法令はもちろん、労働市場の動向や各種アンケート調査の結果など、経営の視点で人事に関する最新の情報をピックアップしてお届けします。
R4年5月 令和4年度労働保険の年度更新実務の注意点
R4年5月 令和4年度「アルバイトの労働条件を確かめよう!」
R4年5月 新しい働き方への対応で注意したいこと
R4年5月 不正プログラム「エモテット」にご注意!
R4年5月 5月は「自転車月間」!見直すべき企業の自転車管理
R4年5月 カスハラ対策に活用したい厚労省のマニュアル・ポスターR4年5月 厚生労働省が就活セクハラ防止へ 企業に対する指導強化R4年5月 新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者の取扱いの変更
◆「年度更新」とは?
会社は、労災保険と雇用保険に加入する義務を負っており、業種や従業員数に応じた保険料を納付することとされています。
保険料の額は毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間を単位として計算され、年度ごとに概算で保険料を納付し、年度末に賃金総額が確定した後で精算するという方法がとられています。
この、前年度の保険料を精算するための確定保険料の申告・納付と、新年度の概算保険料を納付するための申告・納付の手続きが、「年度更新」です。
◆令和4年度は年度途中で雇用保険料率が改定
令和4年3月30日に成立した改正雇用保険法により、令和4年度の雇用保険料率は、年度前半(4月~9月)は3/1,000、年度後半(10月~令和5年3月)は5/1,000とされています(失業等給付に係る雇用保険料率(労使折半))。
そのため、概算保険料の計算を2段階で行う必要があり、例年とは手順の一部が異なります。
◆改正にあわせて様式の記載欄にも変更あり
まず、令和3年度の確定保険料を算定するための「確定保険料算定基礎賃金集計表」に設けられた概算保険料(雇用保険分)算定内訳の記載欄に、雇用保険率の適用期間ごとに賃金総額の見込額を記入する必要があります。
また、申告書の概算・増加概算保険料算定内訳の「⑬保険料率欄」には、年度途中で雇用保険率が変更されることを受け、印字がされていないため注意が必要です。
年度更新の手続きは、毎年6月1日から7月10日までの間に行わなければならず、遅れると追徴金(納付すべき保険料・拠出金の10%)を課されることもあります。不安や疑問点がある場合には、社会保険労務士にご相談ください。
【厚生労働省「労働保険とはこのような制度です」】
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/howtoroudouhoken/index.html
【厚生労働省「労働保険の年度更新とは」】
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhoken01/kousin.html
【厚生労働省「令和4年度労働保険の年度更新期間について」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/hoken/roudouhoken21/index.html
◆「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーンとは
全国の学生等を対象に、特に新入学生がアルバイトを始める4月1日から7月31日までの間、自らの労働条件の確認を促すことなどを目的とした厚生労働省発のキャンペーンです。平成27年度から実施しており、今年で8年目になります。
◆労働条件の確認項目
① 労働条件の明示
② シフト制労働者の適切な雇用管理
③ 労働時間の適正な把握
④ 商品の強制的な購入の抑止とその代金の賃金からの控除の禁止
⑤ 労働契約の不履行に対してあらかじめ罰金額を定めることや労働基準法に違反する減給制裁の禁止
◆実施項目
(1) 厚労省の実施事項
大学等にリーフレットやポスターを送付し、新入学時のガイダンス等での配布やホームページへの掲載依頼、事業主団体への周知、各都道府県および政令市への協力依頼、弁護士や社労士等の関係士業団体等への周知・協力依頼を実施します。
(2) 各都道府県労働局の実施事項
大学等での出張相談を行ったり、各都道府県労働局および各労基署にある総合労働相談コーナーに「若者相談コーナー」を設置したり、また事業主等に対するリーフレットの配付等を行います。
◆事業主における注意・確認ポイント
① 書面による(メール等でプリントアウトができれば可)労働条件は用意しているか
② 勤務シフトの設定は適切か
③ 労働時間は適切か
④ 商品の強制購入はさせていないか(代金を賃金から控除することも禁止)
⑤ 遅刻や欠勤に伴う損害賠償や労基法に違反する減給はしていないか
このキャンペーンに伴い、事業主は改めてこれらの点を確認しておく必要があります。
【厚生労働省「「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーンを全国で実施」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24965.html
厚生労働省の「これからの労働時間制度に関する検討会」(2022年3月29日)における、久保智英氏の資料「オフの量と質から考える働く人々の疲労回復」で、次のような点が示されています。
◆職場に合わせた制度の検討
新しい働き方が求められる世の中になり、勤務間インターバル制度や勤務時間についての裁量がある働き方などの取組みが求められる一方、極端に不規則な働き方や、職場の風土に合わないのに「11時間のインターバルをとる」などと一律に適用してしまう等の運用の仕方では、疲労回復の効果が大幅に妨げられてしまうという研究結果が示されました。
例えば長距離運転のドライバーなど、負荷の高い働き方のあとには、より長めにインターバルを取れるようにして、職場の安全衛生委員会等でインターバル時間や運用方法を、自社の状況に合うように検討するなど、職場に合わせた制度設計が必要だとしています。
◆テレワークやワーケーションでも
コロナ禍により、テレワークやワーケーションが注目されていますが、ITの発展した時代には、物理的にも心理的にも仕事から解放される環境が必要だとしています。
最近注目の制度でも、オフのときは完全に仕事から離れたい人にとっては望ましくない場合があります。こうしたことは、「つながらない権利」として広がりつつあり、海外では法制化されている国もあります。
◆ただ規定するだけでは不十分
近年、例えば、育児・介護休業に関する制度や高年齢者の働き方に関する制度でも、ただ制度として一律に規定しただけでは効果が不十分な取組みが多くあります。組織や個人の特性を踏まえた制度設計が必要になってきています。
【厚生労働省 これからの労働時間制度に関する検討会第11回資料「オフの量と質から考える働く人々の疲労回復」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24869.html
◆「エモテット(Emotet)」の脅威
2022年に入り「Emotet(エモテット)」によるサイバー犯罪被害が激増しています。エモテットとは、主にメールを介して感染を広げるマルウェア(不正プログラム)で、取引先に対してマルウェアに感染した「なりすましメール」を勝手に送りつけるほか、PC内の機密データを知らぬ間に操作・窃取されたり、ランサムウェア(社内データ等を人質に金銭を脅し取ることを目的とした不正プログラム)がダウンロードされ、社内ネットワーク内のPCに感染を拡げたりするなどの被害をもたらします。実際のメールの件名を利用するなど、なりすましの手口も巧妙化しています。
◆対応策
政府はこうした事態を受け、次のような対策を講じるよう企業に注意喚起しています。
1.リスク低減のための措置
〇パスワードが単純でないかの確認、アクセス権限の確認・多要素認証の利用・不要なアカウントの削除等により、本人認証を強化する。
〇IoT機器を含む情報資産の保有状況を把握する。特にVPN装置やゲートウェイ等、インターネットとの接続を制御する装置の脆弱性は、攻撃に悪用されることが多いことから、セキュリティパッチ(最新のファームウェアや更新プログラム等)を迅速に適用する。
〇メールの添付ファイルを不用意に開かない、URLを不用意にクリックしない、連絡・相談を迅速に行うこと等について、組織内に周知する。
2.インシデントの早期検知
〇サーバ等における各種ログを確認する。
〇通信の監視・分析やアクセスコントロールを再点検する。
3.インシデント発生時の適切な対処・回復
〇データ消失等に備えて、データのバックアップの実施および復旧手順を確認する。
〇インシデント発生時に備えて、インシデントを認知した際の対処手順を確認し、対外応答や社内連絡体制等を準備する。
被害を受けた場合、その影響は自社にとどまらず、サプライチェーン全体の事業活動に及ぶ可能性があります。積極的な対策を講じていきましょう。
【経済産業省「サイバーセキュリティ対策の強化について注意喚起を行います」】
https://www.meti.go.jp/press/2021/03/20220324008/20220324008.html
【警視庁「サイバーセキュリティad資料」】
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/cyber/CS_ad.html
◆増えている自転車の業務利用
ご存じですか、5月は「自転車月間」です。
新型コロナウイルスの影響により、「運動不足解消のため」「満員電車の密を避けるため」「在宅の時間が増え、近所で用事を済ませるようになったため」などを理由に、自転車利用が増えています。政府も積極的な自転車利用を推進しているところであり、自転車の通勤や業務での利用を認めるようになったという企業も多いのではないでしょうか。
一方、自転車事故によって他人の生命や身体を害した場合に、加害者が高額の損害賠償を命じられる判決事例も、近年、相次いでいます。業務中・通勤途上の自転車事故については、使用の実態や事故発生時の状況により会社責任が問われることもあり、注意を要します。
◆「保険加入」の確認、できていますか?
特に注意して確認したいのは、自転車保険等への加入です。
被害者救済の観点から自転車保険等への加入促進を図るため、自転車活用推進本部(本部長:国土交通大臣)では「自転車損害賠償責任保険等への加入促進に関する標準条例」を作成・通知して、条例による自転車保険等への加入義務づけを要請しており、令和3年4月1日現在、自転車保険等への加入について、義務とする条例が22都府県、努力義務とする条例が10道県で制定されています。
たとえば東京都では、自転車の利用者に対し、対人賠償事故保険への加入が義務化され、あわせて、自転車を業務で使用する事業者にも同様の義務が課されました。また、自転車を通勤に利用する従業員がいる事業者にも、自転車通勤者が保険に加入していることを確認する努力義務が課されています。
◆リスク管理のために
自転車の業務利用を許可制としている会社は多いと思われますが、許可に際して、対人賠償事故保険に加入しているかを確認することは、リスク管理上、必須といえます。許可基準として、「通勤/業務に使用する自転車に関する事故につき、損害賠償責任の保険金額が無制限の保険を契約していること」などが設けられているか、確認しましょう。
◆厚生労働省のカスタマーハラスメント防止対策
顧客等からの不当・悪質なクレームといった著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント)は、従業員に過度に精神ストレスを感じさせるとともに、通常の業務にも支障が出るおそれがあります。厚生労働省の調査によると、企業に対する調査では、過去3年間に顧客等からの著しい迷惑行為の相談があった企業の割合は19.5%、労働者に対する調査では、過去3年間に勤務先で顧客等から著しい迷惑行為を一度以上経験したと回答した割合は15.0%に上り、カスハラに悩む企業、労働者は少なくありません。
◆カスタマーハラスメント対策企業マニュアル
企業にカスタマーハラスメント対策の必要性を理解してもらい、自主的な取組みを行ってもらうことを目的に、厚生労働省は「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を作成、公表しています。カスタマーハラスメントに関する企業責任や、具体的に取り組むべき対策、運用等について詳しく解説がなされており、参考になります。
◆カスタマーハラスメント対策ポスター
厚生労働省では、「暴力、暴言、土下座の強要……そのクレーム、やりすぎていませんか? STOP! カスタマーハラスメント―みなさまに気持ちよく過ごしていただくために―」とのキャッチコピーが目を引くポスターを作成しています。より多様な業種で活用できるよう、何種類かのデザインが用意されています。厚生労働省ホームページからダウンロードでき、活用にあたって事前申請等も不要ですので、積極的に利用してみはいかがでしょうか。
【厚生労働省「顧客等からの著しい迷惑行為(いわゆるカスタマーハラスメント)について」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html
厚生労働省は、令和4年3月29日、就職活動中の学生に対するセクシュアルハラスメント防止対策を強化することを公表しました。就職活動中の学生をハラスメントから守り、より安心して就職活動に取り組める環境を整備するため、令和4年3月以降、順次以下の取組みを実施しています。
◆大学生に対する出前講座の実施(新規)
セクハラ被害防止を目的とした大学生向けの出前講座を実施します。出前講座では、就活中にハラスメントにあわないために、また、あったときにどうすればよいか、法令、対応のポイントや相談先等について解説します。
◆就活ハラスメントの被害にあった学生へのヒアリングの実施(新規)
学生等の抱える悩みや行政への希望の「生の声」を聴くため、非公表でヒアリングを実施して、今後の行政における相談対応、企業指導に活かしていくことにしています。
◆就活セクハラを起こした企業に対する指導の徹底(強化)
男女雇用機会均等法に基づく指針では、企業が講じることが「望ましい取組」として、就活中の学生等に対するセクハラ対策が位置づけられています。
未だに企業では悪質な就活セクハラが発生しており、社会的注目も高まっていることから、「就活セクハラ」を起こした企業に対しては、就活セクハラについて行ってはならない旨の方針の明確化等を行政指導により徹底します。
◆大学生等に対する就活ハラスメント関係の周知啓発(継続実施)
文部科学省と連携しSNS等での周知を継続します。
【厚生労働省「就職活動中の学生等に対するハラスメント防止対策を強化します!】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24824.html
◆コロナ対策の政府方針を変更
厚生労働省は、「B.1.1.529 系統(オミクロン株)が主流である間の当該株の特徴を踏まえた感染者の発生場所毎の濃厚接触者の特定及び行動制限並びに積極的疫学調査の実施について」(3月16日事務連絡(3月 22 日一部改正))を発出し、また、首相官邸は「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を3月17日に改訂しました。それに伴い、事業所等で感染者が発生した場合の濃厚接触者の取扱いが変更になりました。
◆職場での濃厚接触者の特定が不要に
厚労省の事務連絡では、「オミクロン株については、感染・伝播性が高く、潜伏期間と発症間隔が短いため、感染が急拡大し、それに伴い濃厚接触者が急増することから、その全てにこれまでと同様の一律の対応を行うことは、保健所機能そして社会経済活動への影響が非常に大きい」としています。
そのため、同一世帯内以外の事業所等(高齢者や基礎疾患を有する人等、重症化リスクの高い者が多く入所・入院する高齢者・障害者施設や医療機関、保育所(地域型保育事業所および認可外保育施設を含む)、幼稚園、認定こども園、小学校、義務教育学校、特別支援学校および放課後児童クラブを除く)で感染者が発生した場合に、保健所等による積極的疫学調査や濃厚接触者の特定・行動制限は求めないことになりました。
◆待機期間短縮へ
同一世帯内で感染者が発生した場合は、同居する家族は濃厚接触者となり保健所等の指導による行動制限を行う必要があります。濃厚接触者の待機期間は、同居者が発症した日を0日として原則7日間(8日目に解除)ですが、4・5日目の抗原定性検査キットで陰性確認後、5日目から解除が可能となりました(この場合の待機解除の判断について、保健所による個別の確認は不要)。
【厚生労働省「B.1.1.529 系統(オミクロン株)が主流である間の当該株の特徴を踏まえた感染者の発生場所毎の濃厚接触者の特定及び行動制限並びに積極的疫学調査の実施について」】
https://www.mhlw.go.jp/content/000916891.pdf
【首相官邸「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処⽅針(令和4年3月17日変更)」】
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/th_siryou/kihon_r_040317.pdf