人事のことなら、大阪市中央区の安達社会保険労務士事務所にお任せください。

開業20年の豊富な知識と経験

安達社会保険労務士事務所

〒540-0008 大阪市中央区大手前1-7-31 OMMビル15階
京阪・地下鉄天満橋駅より徒歩1分

 

06-6966-4737

営業時間

9:00~17:00(土日祝を除く)

ご相談・お問合せはこちらまで

人事労務管理最新情報

変化の激しい時代、人事を取り巻く状況も、常に変わっていきます。労働基準法をはじめとする法令はもちろん、労働市場の動向や各種アンケート調査の結果など、経営の視点で人事に関する最新の情報をピックアップしてお届けします。

厚労省公表の「受動喫煙対策強化案」のポイント
                            H29年4月

違反した喫煙者・事業者に過料

厚生労働省が31日、東京五輪・パラリンピックに向けて、受動喫煙対策の新たな規制強化案を公表しました。

飲食店は原則禁煙とし、例外として喫煙できるのは小規模なスナックやバーなどに限定するなどが骨子で、違反した喫煙者が行政指導に従わない場合には30万円以下、事業者が従わなかった場合には50万円以下の過料を科すとしています。

同省は強化案を踏まえた健康増進法の改正案を今国会に提出する予定で、2019年秋に日本で開催されるラグビーワールドカップまでの施行を目指します。

 

「努力義務」から「義務化」へ

日本の受動喫煙対策はこれまで努力義務にとどまり、世界保健機関(WHO)からは「世界でも最低レベル」と厳しく批判されてきました。

このため、新たな規制強化案では受動喫煙対策を義務化します。

禁煙の範囲は、小中高校や医療機関は最も厳しい敷地内禁煙とし、官公庁や福祉施設などは建物内禁煙とします。運動施設も建物内禁煙としますが、コンサートが行われるなど興行目的でも利用される場合は喫煙室の設置を認めます。

 

小規模なバーなどは一定の条件下で例外に

飲食店は屋外のテラス席も含め禁煙としますが、喫煙室の設置は認めます。居酒屋や焼鳥屋などについても、家族連れや外国人観光客の利用を想定し、対策を徹底することとしました。

一方、例外として小規模なバーやスナックなどでは、「受動喫煙が生じうる」との掲示や換気を条件に喫煙を認めます。面積が約30平方メートル以下の店が候補で、法案成立後に政令で定める予定です。

なお、ホテルの客室や老人福祉施設の個室なども喫煙は可能です。

 

5年間の経過措置

また、今回の規制強化案では、既存の喫煙室については施行後5年間、排気装置などで一定の基準を満たせばそのまま使用を認める規定を盛り込みました。

飲食店など喫煙室の設置が認められている施設だけでなく、医療機関や官公庁なども対象にしています。

ただし、禁煙ではなく分煙を推進すべきだとの意見は根強く、調整は難航する可能性があります。

 

 「年次有給休暇」の取得状況は?                                                 H29年4月

2月末に結果公表

厚生労働省では、年に一度、主要産業における企業の労働時間制度、定年制、賃金制度等について総合的に調査し、民間企業における就労条件の現状を公表しています。

今回は、2月末に発表された「平成28年度就労条件総合調査の概況」から、年次有給休暇についての実態を見てみましょう。

なお、この調査は平成28 11日現在の状況について行われていますが、年間については、平成27 年(または平成26 会計年度)1 年間の状況についての調査です。

 

年次有給休暇の取得状況

平成27 年(または平成26 会計年度)の1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数を除く)は、労働者1人平均18.1 日(前年18.4 日)、そのうち労働者が取得した日数は8.8日(同8.8 日)で、取得率は48.7%(同47.6%)となっています。

取得率を企業規模別にみると、1,000 人以上が54.7%(同52.2%)、300999 人が47.1%(同47.1%)、100299 人が44.8%(同44.9%)、3099 人が43.7%(同43.2%)という結果が出ています。

 

年次有給休暇の時間単位取得制度

過半数組合、それがない場合は過半数代表者との間で会社が労使協定を締結すれば、年に5日を限度として時間単位で年次有給休暇を与えることがでる制度(時間単位年休)が7年前から施行されています。

この制度がある企業割合は16.8%(前年16.2%)となっています。

 

取得日数が少ないと…

年次有給休暇は、労働基準法で定められた当然の権利ではありますが、「あまり取ってほしくない」というのが本音だという企業もあるでしょう。

しかし、このご時世、有休が取得できないとなると「ブラック企業」と言われかねず、企業としては悩ましいところです。

「転勤に関する雇用管理のポイント」と企業の配慮
H29年4月

厚労省が指針を公表へ

春の異動のシーズンを迎え、転勤となる従業員も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

現在、転勤にまつわる雇用管理について、厚生労働省の研究会で議論が進められており、3月末までに「転勤に関する雇用管理のポイント(仮称)」という指針を公表して、企業で活用してもらおうという意向のようです。

 

指針の中身

では、どのような中身になるのか、研究会の報告書案からその構成を見てみましょう。

まず、転勤に関する実態と、仕事と家庭生活の両立を軸とする視点からみた転勤を取り巻く課題が解説され、続いて「労働者の仕事と家庭生活の両立に資する観点からの転勤に関する雇用管理のポイント」として次の内容が盛り込まれています。

1.転勤に関する雇用管理について踏まえるべき法規範

(1)配転命令権

(2)転勤に関連するその他の法規範

2.転勤に関する雇用管理を考える際の基本的な視点

3.転勤に関する雇用管理のポイント

(1)自社の現状把握

(2)異動(転勤を含む)の目的・効果の検証

(3)基本方針(転勤を実施する規模)

(4)転勤に関する雇用管理の類型ごとの運用メニュー例

 

ポイントはどこに?

勤務地限定の合意等がなければ、従業員の同意がなくとも転勤は原則認められますが、一方で、近年では働き方の多様化への対応や、育児・介護等の家庭生活への配慮が求められるようになってきています。

指針は、従業員が長期的な職業生活・家庭生活の見通しを立てられるよう、会社は転勤の時期や頻度の目安等について従業員への明示を求める内容となるようです。

会社としても、従業員としても、転勤となればいろいろと調整しなければならない事柄が発生します。お互い、「早く言ってよ~」とならないよう、具体的かつ早めに意思疎通しておく必要があるということでしょう。

 

長期治療が必要な「脳卒中」「肝疾患」の従業員に会社はどう対応する?                      H29年4月

ガイドラインの参考資料

厚生労働省は31日、「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」の参考資料として、「脳卒中に関する留意事項」と「肝疾患に関する留意事項」を追加しました。

昨年2月に公表されたこのガイドラインでは、疾病を抱える方々の治療と職業生活の両立を支援する企業に向けて、適切な就業上の措置や治療に対する配慮を行い、治療と職業生活が両立できるようにするための取組みなどがまとめられています。

ガイドラインの中には参考資料として「がん」に関する留意事項がありますが、今回、「脳卒中」と「肝疾患」に関する基礎情報と、各疾病について特に留意すべき事項がガイドラインに追加されました。

今回追加した留意事項のポイントをみていきます。

 

脳卒中に罹患した労働者の両立支援にあたっての留意事項

ガイドラインでは、脳卒中等の脳血管疾患に罹患した労働者に対しての留意事項として、(1)再発等予防・治療のための配慮、(2)障害特性に応じた配慮、(3)復帰後の職場適応とメンタルヘルスを挙げています。

(1)について、会社は、労働者から再発予防のために継続した服薬や定期的な通院等の申出があった場合には、必要に応じて配慮することが望ましいとしています。また、痛みやしびれなどの後遺症が残る場合があり、就業上の措置を要する場合があることに留意が必要としています

(2)については、会社は、産業医等と連携するなどして、障害の程度や内容に応じて、作業転換等の就業上の措置を行うことが求められます。

(3)については、脳卒中を発症し、手足の麻痺や言語障害といった後遺症に悩む労働者の中には、職場復帰後、発症前の自身とのギャップに悩み、メンタルヘルス不調に陥る場合もあるため、注意が必要としています。

 

肝疾患の両立支援にあたっての留意事項

ガイドラインでは、肝疾患の労働者に対する留意事項として、(1)肝疾患の特徴を踏まえた対応、(2)肝疾患に対する不正確な理解・知識に伴う問題への対応を挙げています。

(1)では、労働者から通院等への配慮の申出があれば、事業者は、海外出張や不規則な勤務を避けるなど、必要な配慮を検討し対応することが望ましいとしています。

また、肝硬変の症状があり、病状が進行している場合、記憶力の低下や瞬時の判断が遅れるなどの症状が出ることもあるため、身体的な負荷は小さくとも車の運転など危険を伴う作業は控える等の措置が必要なこともあるため、個別に確認が必要であるとしています。

厚生労働省は、今後、ガイドラインの普及や企業に対する各種支援によって疾病を抱える方々が治療と職業生活が両立できるような環境整備に取り組んでいくとしています。

連続プラスが続く「パートタイマー時給」の最近の相場                H29年4月

関東4都県の募集時平均時給は1,000円を突破

パートタイマーの平成2812月の平均時給は、関東4都県(東京、神奈川、埼玉、千葉)で1,020円、東日本で1,000円でした(アイデム人と仕事研究所が33日に公表した集計結果による)。

職種別では、「専門・技術職」で前年同月比マイナス88円の1,203円となったほかは、「事務職」「販売・営業職」「フードサービス職」「運輸・通信・保安職」「製造・建設・労務職」「その他」のいずれもプラス768円で増額しました。

伸び率が高かったのは、「運輸・通信・保安職」の前年同月比プラス68円の1,057円と、「フードサービス職」の同プラス12円の924円でした。

 

西日本の平均時給の伸びは東日本を上回る

関西3府県(大阪・京都・兵庫)は990円で前年同月比9円プラス、西日本は969円で同プラス16円と、いずれも関東4都県の2円プラス、東日本の8円マイナスを上回りました。

職種別では、東日本と同様、「専門・技術職」で前年同月比マイナス27円の1,267円となったほかは、いずれも944円プラスでした。

伸び率が高かったのは「販売・営業職」の前年同月比プラス44円の893円、次いで「製造・建設・労務職」の同プラス37円の927円でした。この点は、東日本と異なる結果です。

 

全体ではプラス傾向だが一部にマイナス100円超も

集計結果は平成241月から48カ月の推移をみることができますが、全体で、東日本は970円から1,000円、西日本は919円から969円と、プラス傾向が続いています。

ところが、「専門・技術職」は前年同月比で東京都区部や神奈川県はマイナス107円、京都府はマイナス200円と、兵庫県でプラス108円となった以外、いずれもマイナスです。

 

医療・介護・保育業界の人材確保に影響が?

この「専門・技術職」とは、看護師・准看護師、看護助手、薬剤師、歯科衛生士、歯科助手、介護福祉士、介護ヘルパー(2級以上)、保育士です。

いずれも人手不足が深刻な職種で、時給のマイナスによりさらなる悪化が懸念されます。

厚生労働省では、これらの職種における処遇改善に対する助成金も設けています。活用を検討してみてはいかがでしょうか。

改正道路交通法が施行!再確認しておきたいポイント                     H29年4月

改正道路交通法の改正点

312日、改正道路交通法が施行されました。

主な改正点は、(1)準中型運転免許の新設、(2)75歳以上の高齢運転対策推進(臨時適正検査制度の見直しと、臨時認知機能検査・臨時高齢者講習制度の新設)の2点です。

今回は、多くの企業で注意が求められることになる、「準中型運転免許の新設」について、改めてチェックしておきたい点をご案内します。

 

「準中型免許」とは?

準中型免許は、満18歳以上から取得できる免許です。普通免許と中型免許の間に新設され、車両総重量7.5トン未満、最大積載量4.5トン未満までの自動車(いわゆる「2トントラック」まで)を運転することができます。

準中型免許で運転できるトラックは、例えば宅配便やコンビニの配送、建設や土木などの資材運送など、利用の範囲が幅広いのが特徴です。

特に運送業界は人手不足が深刻な状況ですが、準中型免許は18歳以上であればそれ以前の運転経験を問わずに取得することができますので、高校を卒業してすぐに就職しようとする人や、大学生・専門学校生のアルバイト等、準中型免許の取得により人材の活用の幅が広がることが期待できます。

 

事業場の留意点

一方で、普通免許で運転できる車両の範囲が狭くなる(車両総重量5トン未満だったものが、改正後は同3.5トン未満となる)ことに注意が必要です。

平成19年に「中型免許」の導入により運転免許の区分が変更された際には、運転免許証とトラックの自動車検査証の照合を怠った結果、普通免許では運転できないトラックを運転して無資格・無免許運転で検挙され、行政処分を受けるケースが多発しました。

違反自体は単なる「ミス」「勘違い」が原因であったとしても、そこから事故や違反項目が芋づる式に出てくることで、処分が予想以上に厳しくなるケースも決して少なくありません。

トラックを運転させる事業場では、各人が運転することができる車両の範囲について、しっかり確認することが求められます。

増加する外国人雇用~「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」より             H29年4 月

外国人雇用が増加している

「インバウンド」という言葉も頻繁に使われるようになり、訪日外国人の増加が取り沙汰されているところですが、雇用の面でも外国人労働者の存在は無視できないものとなってきているようです。

厚生労働省が公表した平成2810月末現在の外国人雇用についての届出状況によると、外国人労働者数は108万人を超え、前年同期比19.4%の増加となり、平成19年に届出が義務化されて以来、過去最高を更新したそうです。

また、外国人労働者を雇用する事業所は172,798カ所で、前年同期比13.5%の増加と、同じく過去最高を更新しています。

 

国籍別では中国が最多、ベトナムも急増

国籍別の状況を見ると、中国が344,658人と全体の3割を占め、最多となっています。

次いでベトナム(172,018人)、フィリピン(127,518人)、ブラジル(106,597人)と続いていますが、特にベトナムは前年同期比56.4%の増加となっており、他と比べても対前年の伸び率が高くなっています。

 

産業別では製造業、事業所規模別では30人未満が最多

産業別にみると、「製造業」が23.5%を占め、次いで「卸売業、小売業」(16.9%)、「宿泊業、飲食サービス業」(14.3%)、「サービス業(他に分類されないもの)」(労働者派遣業、ビルメンテナンス業等が含まれる)(7.9%)となっています。

また、事業所規模別にみると、「30 人未満」規模の事業所が最も多く、事業所全体の56.7%を占めています。

 

今後も増加が予想される外国人労働者

グローバル化の流れから、就労目的の外国人の流入は今後ますます増えることが予想されます。

また、政府も高度外国人材のさらなる就業促進に向けての取組みや外国人労働者の受入れ拡大を進めており、国内の労働者数の減少も相まって、外国人雇用が加速度的に進んでくることも予想されます。

これまであまり関係がないと思われていた企業にとっても、「外国人の雇用」が身近な問題になることも、そう先のことではないかもしれません。

男女間、正規・非正規間の賃金格差が過去最小に!
H29年4月

女性の平均賃金が過去最高に

厚生労働省が発表した平成28年の「賃金構造基本統計調査」によると、フルタイムで働く女性の平均賃金は月額244,600円(前年比1.1%増)となり、過去最高を記録したそうです。

一方、全体の平均賃金は304,000円、男性の平均賃金は335,200円で共に前年と横ばいでした。

また、男性の賃金を100%とした場合に女性は73%となり、男女間賃金格差は過去最小を更新しています。これは20年前(平成9年)よりも約10%縮まったことになります。

同省は、賃金格差の縮小は「管理職に占める女性の割合が過去最高の9.3%だったことにより、平均賃金を押し上げた」と分析しています。

昨年から女性活躍推進法が施行され、今後、企業は女性の採用や管理職への登用を積極的に進め、その格差はさらに縮まっていくことが予想されます。

 

雇用形態間賃金格差も過去最小

雇用形態別に平均賃金を見ると、正社員は321,700円(前年比0.2%増)、非正規社員は211,800円(同3.3%増)でした。

正社員を100%とした場合に非正規社員は65.8%となり、平成17年の調査開始以来賃金の格差は最小となりましが、これは人手不足などを背景とする女性の非正規社員の給与アップや最低賃金の上昇などにより格差が縮まったのが要因とされています。

また、短時間労働者の1時間当たり賃金は、男女計1,075円(前年比1.5%増)、男性1,134円(同0.1%増)、女性1,054円(同2.1%増)となっており、いずれも過去最高となっています。

 

「同一労働同一賃金」で賃金はどう変わるか?

賃金の男女間の格差、正規・非正規間の格差は年々小さくなっています。その中でも男性の賃金の伸び止まりや女性の活躍推進が大きな問題となりそうです。

また、現在、政府で議論されている「同一労働同一賃金」の実現に向けた非正規社員の処遇改善についての動向にも注目しておく必要があります。