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人事労務管理最新情報

変化の激しい時代、人事を取り巻く状況も、常に変わっていきます。労働基準法をはじめとする法令はもちろん、労働市場の動向や各種アンケート調査の結果など、経営の視点で人事に関する最新の情報をピックアップしてお届けします。

65歳以上の労働者」も雇用保険の適用対象となりました!                            H29年2月

◆雇用保険法の改正

昨年、雇用保険法が改正され、20171月から雇用保険の適用対象が「65歳以上の労働者」にも拡大されました。

65歳以上の労働者については、これまで高年齢継続被保険者(65歳に達した日の前日から引き続いて65歳に達した日以後の日において雇用されている被保険者)となっている場合を除き、雇用保険の適用除外となっていましたが、この1月からは「高年齢被保険者」として適用対象となりました。

 

◆会社が必要な手続きは?

1月以降、新たに65歳以上の労働者を雇用し、雇用保険の適用要件(1週間の所定労働時間が20時間以上で31以上の雇用見込みがあること)に該当する場合は、事業所を管轄するハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出する必要があります(提出期限:被保険者となった日の属する月の翌月10日)。

また、平成2812月末までに65歳以上の労働者を雇用し1以降も継続して雇用している場合も同様の扱いとなりますが、この場合には提出期限の特例があり、今年3月末までに資格取得届を提出すればよいこととなっています。

なお、平成2812末時点で高年齢継続被保険者である労働者を1以降も継続して雇用している場合は自動的に高年齢被保険者に被保険者区分が変更されるため、ハローワークへの届出は必要ありません。

 

◆保険料の徴収は?

65歳以上の労働者について、雇用保険料の徴収は「平成31年度まで免除」となっています。

 

◆各種給付金の支給について

1以降、65歳以上の労働者は雇用保険の適用対象となったため、高年齢被保険者として離職した場合、受給要件を満たすごとに高年齢求職者給付金が支給されます。

育児休業給付金・介護休業給付金・教育訓練給付金についても、それぞれの要件を満たせば支給されます。

の多くは、勤務先で「企業型」に加入していた加入者が転職時などに必要な手続きを行わなかったためです。

前年より約207億円も増加しており、この5年間では約2.6倍になりました。これらの資産は厚生労働省所管の国民年金基金連合会に移されて「塩漬け」になり、加入者は老後資金の運用機会を逃していることになります。

中小企業のための「事業承継ガイドライン」のポイント                                         H29年2月

ガイドライン策定の背景は?

経営者の高齢化が進み、多くの中小企業が事業承継を迎える時期となってきましたが、日本の経済を支える中小企業には、蓄積されたノウハウや技術が多く存在します。

その価値を次世代に引き継ぎ、世代交代によるさらなる活性化を実現していくために、円滑な事業承継は極めて重要です。

中小企業庁では、近年の中小企業を取り巻く状況の変化を踏まえた事業承継のあり方を議論する場として「事業承継を中心とする事業活性化に関する検討会」および「事業承継ガイドライン改訂小委員会」を立ち上げ、昨年12月に「事業承継ガイドライン」が公表されました。

 

ガイドラインの内容は?

本ガイドラインの主な内容は、以下の3点です。

1】事業承継に向けた早期・計画的な取組の重要性(事業承継診断の導入)

60歳を着手の目安とした早期取組の重要性を明記するとともに、事業承継に向けた早期かつ計画的な準備への着手を促すツールとして、事業承継診断を紹介しています。

2】事業承継に向けた5ステップの提示

円滑な事業承継の実現のために、下記のステップを経ることが重要とされています。

・ステップ1:事業承継に向けた準備の必要性の認識

・ステップ2:経営状況・経営課題等の把握(見える化)

・ステップ3:事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)

・ステップ4:事業承継計画の策定

・ステップ5:マッチングの実施

・ステップ6:事業承継/M&A等の実行

3】地域における事業承継を支援する体制の強化

各都道府県において地域に密着した支援機関をネットワーク化し、支援拠点や支援センター等と連携する体制の整備を国のバックアップのもと進めます。

各支援機関においても、個々の事業者の課題に応じた支援を実施しています。

 

それぞれの課題に応じた有効な活用を!

本ガイドラインはすべての中小企業を対象に作成されたものですが、個々の企業により問題も課題も異なりますので、必要な箇所をピックアップして活用することが望まれます。

厚労省から発表された『「過労死ゼロ」緊急対策』の内容                   H29年2月

◆労働時間管理、メンタル対策がより重要に!

昨年12月下旬、厚生労働省から『「過労死等ゼロ」緊急対策』が発表されました。大手広告会社の一連の過労死事案等を受け、以下のように取組みが強化されることになりました。

大きく分けると「平成29年から実施されるもの」と「平成29年度から実施されるもの」があり、これまで以上に労働時間管理やメンタルヘルス対策、パワハラ等についての対策が重要となりますので、注意が必要です。

 

違法な長時間労働を許さない取組の強化

1)新ガイドラインによる労働時間の適正把握の徹底【平成29年より実施】

企業向けに新たなガイドラインを定め、労働時間の適正把握が徹底されます。

2)長時間労働等に係る企業本社に対する指導【平成29年より実施】

違法な長時間労働等を複数の事業場で行うなどの企業に対して、全社的な是正指導が行われます。

3)是正指導段階での企業名公表制度の強化【平成29年より実施】

過労死等事案も要件に含めるとともに、一定要件を満たす事業場が2事業場生じた場合も公表の対象とするなど対象が拡大されます。

4)三六協定未締結事業場に対する監督指導の徹底【平成28年度第4四半期に実施】

 

メンタルヘルス・パワハラ防止対策のための取組の強化【平成29年度より実施】

1)メンタルヘルス対策に係る企業本社に対する特別指導

複数の精神障害の労災認定があった場合には、企業本社に対してパワハラ対策も含め個別指導が行われます。

2)パワハラ防止に向けた周知啓発の徹底

メンタルヘルス対策に係る企業や事業場への個別指導等の際に、「パワハラ対策導入マニュアル」等を活用し、パワハラ対策の必要性、予防・解決のために必要な取組等も含め指導が行われます。

3)ハイリスクな方を見逃さない取組の徹底

長時間労働者に関する情報等の産業医への提供が義務付けられます。問題のある事業場については、都道府県労働局長が医師による緊急の面接等の実施を指示できる制度が整備されます。

 

社会全体で過労死等ゼロを目指す取組の強化

1)事業主団体に対する労働時間の適正把握等について緊急要請【速やかに実施】

2)労働者に対する相談窓口の充実【平成29年度より実施】

3)労働基準法等の法令違反で公表した事案のホームページへの掲載【平成29年より実施】

500人以下の企業でも「パートへの社保適用」が可能に!                               H29年2月

4月から実施

今年41日より、従業員500人以下の企業における短時間労働者にも社会保険(健康保険・厚生年金保険)の適用が可能となります。

これは、「公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律」の成立(平成281226日公布)を受けたものです。

すでに昨年10月から、従業員501人以上の企業では短時間労働者への社会保険適用拡大が実施されていますが、4月以降は500人以下の企業においても「労使の合意に基づき企業単位で適用拡大」が可能となります。

 

適用となる短時間労働者について

勤務時間・勤務日数が常用雇用者の4分の3未満で、(1)週の労働時間が20時間以上であること、(2)雇用期間が1年以上見込まれること、(3)賃金の月額が8.8万円以上であること、(4)学生ではないこと、のすべてに該当すれば適用の対象となります。

 

適用要件である「労使の合意」について

従業員500人以下の企業への社会保険の適用については、使用者が社会保険の適用を望み、労働者がこれを承諾することで成立します。

具体的には、労働者の過半数で組織する労働組合の同意、もしくは労働者の過半数を代表する者の同意または労働者の2分の1以上の同意が必要となります。

 

適用拡大によるメリット・デメリット

企業にとっては、保険料負担によるコスト増が大きな問題になるかと思いますが、社会保険の加入は、従業員にとって将来の年金額アップはもちろん、傷病手当金制度など健康保険の給付も充実します。

社会保険の適用により、人材確保や従業員のモチベーションのアップ、企業としての社会的評価や信頼性にもつながっていくと思われます。

社会保険・源泉徴収手続見直しを検討~企業の負担軽減へ                H29年2月

年金、健康保険、雇用保険の申請手続の一元化を検討

政府は、今春までに行政コスト削減の重点分野を決め、年末までに具体的な計画や工程表を策定する方針を示しました。

重点分野の柱とされるのが社会保険に関する手続で、2割のコスト削減を目標に、ハローワークや年金事務所に別々に申請する手間をなくしたり、許認可に関する申請様式の自治体ごとのばらつきをなくしたりするなど、手続の簡素化に乗り出します。

マイナンバーや住民基本台帳ネットワーク、法人番号の連携により、重複する書類申請の簡素化を検討することが挙げられています。

 

企業の約半数が行政手続に負担感

昨年11月に政府の規制改革推進会議で日本商工会議所が報告した調査結果によれば、中小企業の半数近くが行政手続を負担に感じると回答しています。

上位を占めた分野は、「社会保険・労務」48.6%、「補助金・助成金」48.2%、「税務申告」45.0%の順でした。

 

負担感を感じる行政手続は企業規模により違いも

また、経団連、経済同友会、日本商工会議所の経済三団体による一斉調査も行われ、昨年12月に結果が公表されました。

具体的には、経団連では「調査・統計への協力」の47.8%が最多で、「社会保険」と「従業員の納税に関わる事務」が同率の46.7%でした。

経済同友会では「社会保険」52%、「納税」50.3%、日本商工会議所では「営業の許認可」46.4%、「補助金の交付申請」41.5%の順となっています。

 

住民税の特別徴収手続の見直しも検討

上記の調査結果から、企業が源泉徴収事務にも負担を感じていることが読み取れますが、政府は、住民税課税決定通知書の電子データ化促進を課題として挙げています。

個人住民税の特別徴収のため、企業には毎年5月に全国の市区町村から住民税課税決定通知書が送られてきますが、これを法改正により電子データでの送付を義務化することなどが検討される見通しです。

いずれも、見直しにより手続実務が大きく変わる可能性がありますので、社内業務の合理化のためにも今後の動向に注目する必要があります。

2017年は副業元年!? 「副業」に関する企業のホンネとは?               平成29年2月

副業についての気運の高まり

個人による輸入ビジネス、Webメディアのライター、アフィリエイター、営業代行、民泊…。これまであまり一般的ではなかった「副業」ビジネスが、いま注目されています。

これらのノウハウを紹介する書籍が数多く出版されたり、人材サービス会社が副業斡旋ビジネスをはじめたりしています。

「週刊東洋経済」20161029日号によれば、79.1%の人が「副業に関心あり」とのことですが、世の働く人にとって、副業の第一義は「収入の補助」です。特に近年は、残業削減の時流もあり、“長時間労働により残業代を稼ぐ”という働き方が難しくなってきていますので、「残業から副業へ」という流れが出てくるのも当然です。

また、近年の副業の特徴として、収入面以外にも人脈やスキル、やりがいなど、いわゆるパラレルキャリア形成も目的となってきていると「週刊東洋経済」は指摘しています。

 

政府も副業を奨励

政府も副業を後押ししています。

昨年10月、安倍首相は働き方改革会議において、副業・兼業について「ガイドライン制定も含めて検討する」といった趣旨の発言を行いました。

また、昨年末には厚生労働省が、今までモデル就業規則に記載されていた副業・兼業に関する規定を「原則禁止」から「原則容認」に転換する方針を示しました。

政府としては、いずれ訪れる労働力減少時代への備えとして、働き方の選択肢の1つとして副業を奨励したい考えのようです。

 

企業の8割は「不許可」

企業の多くは現在、自社の従業員が副業を持つことを禁じています。中小企業庁「平成26年度兼業・副業に係る取組み実態調査事業報告書」によれば、「副業を認めていない」企業は全体の85.3%でした。

また、日本経済新聞社が昨年実施した「社長100人アンケート」でも、経営者の8割が「副業を認めない」と回答しています。認めない理由としては「本業がおろそかになる」「情報漏洩のリスクがある」などが挙げられています。

他にも、企業にとっては、「副業を社員に奨励することで、業績への不安を煽ってしまう」「労災が発生した場合、本業と副業の判断基準が難しい」といった問題もあります。多くの企業にとって「副業を積極的に奨励するメリットは少ない」というのが本音ではないでしょうか。

一方で、ロート製薬やヤフージャパンなどは、副業を解禁したことで本業との相乗効果が出たと、数多くのメディアにて報道されています。副業と上手に付き合えば、企業にとってもメリットがあるということです。

副業が世間的に定着するのはまだ時間がかかりそうですが、自社において従業員の副業をどうすべきか、今から準備しておくとよいかもしれません。