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人事労務管理最新情報

変化の激しい時代、人事を取り巻く状況も、常に変わっていきます。労働基準法をはじめとする法令はもちろん、労働市場の動向や各種アンケート調査の結果など、経営の視点で人事に関する最新の情報をピックアップしてお届けします。

遺族厚生年金の見直しについて  R7年7月           

年金制度改正法案に対する意見

 遺族年金の見直しをめぐり、SNS等に“5年で打切り”“大幅カット”といった投稿がなされ、国会議員に苦情が寄せられていると報じられています。

 こうした反応を受け、厚生労働省は6月3日、「遺族厚生年金の見直しに関するご指摘への考え方」を示しました(6月11日更新)。

 

既に遺族厚生年金を受給している方等は見直しの対象外

 見直しの施行直後に原則5年の有期給付の対象となるのは、18歳年度末までの子がいない、2028年度末時点で40歳未満の女性で、既に遺族厚生年金を受給している方や60歳以降に遺族厚生年金の受給権が発生する方、2028年度に40歳以上になる女性には、影響はありません。

18歳年度末までの子がいる方は、子が18歳年度末になるまでの間の給付内容は現行制度と同じです。

 

「5年の有期給付」について

 見直し後は、60歳未満で死別した場合、原則5年間の有期給付となりますが、この給付には加算が上乗せされ、5年有期給付の遺族厚生年金の額は現在の約1.3倍となります。要件を満たす方は、中高齢寡婦加算も支給されます。

また、障害年金受給権者や単身で就労収入が月額約10万円以下の方は継続給付として引き続き増額された遺族厚生年金が支給され、収入が増加するにつれて収入と年金の合計額が緩やかに増加するよう年金額が調整されます。

 

遺族厚生年金の男女差の解消

 現行では、女性が30歳以上で死別した場合に無期給付となる一方、男性は55歳未満で死別した場合給付がなく、55歳以上で死別した場合、60歳から無期給付となります。

見直し後は、男女ともに収入要件がなくなり、上記の給付が受けられるようになります。

【厚生労働省「遺族厚生年金の見直しについて」】

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00020.html

 

 

新たな就職氷河期世代等支援プログラム(案)が決定しました                             R7年7月

就職氷河期世代等支援プログラムの歩み

 平成のバブル崩壊後、希望する就職ができず、不安定な職や無業状態にある人が多い「就職氷河期世代」の支援策が2019年に始まりました。政府は「就職氷河期世代支援プログラム」を策定し、3年間の集中的支援を実施しました。新型コロナの影響で雇用情勢が厳しくなる中、2023年から「第2ステージ」として施策の効果を検証し、支援の強化や見直しを行い、より効果的な支援を目指しています。

 そんな就職氷河期世代が高齢期を迎えるにあたり、親の介護や将来の生活の安定に備えるためにも、引き続ききめ細かな支援を実施すべく、2025年度以降の新たな施策が公表されました。

 

具体的な取組み

 これまで推進してきた(1)就労・処遇改善に向けた支援および(2)社会参加に向けた段階的支援の継続・拡充とともに、新たに(3)高齢期を見据えた支援を追加し、3本柱で諸施策に取り組むことが明らかになりました。新たな取組策として、以下が挙げられています。

(1)就労・処遇改善

 ・就労受入事業者への支援として、助成金の拡充(26年度~)

 ・公務員・教員としての採用拡大(25年度~)

 ・地域企業による副業・兼業人材の活用の際の経費補助(25年度~) 等

(2)社会参加に向けた段階的支援

 ・ひきこもり相談支援に取り組む自治体への支援拡大(26年度~)

 ・心理的相談を行うネットワーク構築の拡大(25年度~) 等

(3)高齢期を見据えた支援

 ・70歳までの就業確保における65歳超雇用推進助成金の拡充の検討(26年度~)

 ・「居住サポート住宅」認定制度の創設・普及(2510月~) 等

 その他、広報の強化や新たなポータルサイトを創設することが検討されています。

 

今後、労働力不足がますます深刻化していく中で、人手不足に悩む企業は就職氷河期世代とうまくマッチングできることが、問題解決につながるひとつの方策となるかもしれません。

【内閣官房「新たな就職氷河期世代等支援プログラムの基本的な枠組み(案)について(就職氷河期世代等支援に関する関係閣僚会議)」】

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shushoku_hyogaki_shien/kankeikakuryokaigi/dai2/siryou1-2.pdf

 

 

 

 

 

 令和7年3月卒業者の就職状況と令和8年3月高校卒業予定者の求人・募集スケジュールR7年7月

令和7年3月卒業者の就職率

 厚生労働省の取りまとめによると、令和7年3月に高校や中学を卒業した生徒について、令和7年3月末現在のハローワーク求人における高校新卒者の就職内定率は99.0%(求人倍率4.10倍)、中学新卒者の就職内定率は82.6%(同2.67倍)となっています。同じく令和7年3月卒業の大学生の就職率も98.0%となっており、いずれも高水準を維持しています。

 

令和8年3月高校卒業予定者の求人・募集スケジュール

令和8年3月大学等卒業予定者の採用選考はすでに本格的にスタートしているところですが、令和8年3月高校卒業予定者の採用選考期日は以下の通りで、6月からハローワークによる求人申込書の受付が始まっています。

○ハローワークによる求人申込書の受付開始……6月1日

※ハローワークにおいて求人の内容が確認された後、学校に求人が提出されます。

○企業による学校への求人申込および学校訪問開始……7月1日

○学校から企業への生徒の応募書類提出開始

……9月5日(沖縄県は8月30日)

○企業による選考開始および採用内定開始……9月16

 

高卒採用のニーズが増加

人手不足で若者の採用が難しくなっている中、近年、高校新卒者の求人数は増加しています。高卒採用は独自のルールが定められていることから注意すべき点も多いですが、企業のニーズに合わせて活用が検討されるところです。

【厚生労働省「令和7年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)を公表します」】

https://www.mhlw.go.jp/content/11805001/001491440.pdf

【厚生労働省「令和6年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る

求人・求職・就職内定状況」取りまとめ(3月末現在)」】

https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001492100.pdf

 

 

 

 

 

職場での熱中症対策義務化       R7年7月

改正の概要

近年の猛暑や職場での熱中症による死傷災害の増加を受け、職場での熱中症対策が法的義務として強化されています。具体的には、令和7年6月1日、職場における熱中症対策の義務化を含む、改正労働安全衛生規則が施行されました。

対象となるのは、「WBGT(暑さ指数)28℃以上または気温31℃以上の環境で、1時間以上または1日4時間を超えての実施」が見込まれる作業です。これについて、熱中症の重篤化を防止するため「体制整備」「手順作成」「関係者への周知」が事業者に義務付けられました。

 

主な義務内容

・報告体制の整備と周知:「熱中症の自覚症状がある作業者」や「熱中症のおそれがある作業者を見つけた者」がその旨を報告するための体制整備および関係作業者への周知。

※報告を受けるだけでなく、最適温度管理バディ制の採用、ウェアラブルデバイス等の活用や労働環境内での冷却装置等により、熱中症の重症状がある作業者を積極的に把握するように努める。

・重篤化防止措置の準備と周知:熱中症のおそれがある労働者を把握した場合に迅速かつ的確な判断が可能となるよう、①事業場における緊急連絡網、緊急搬送先の連絡先および所在地等、②作業離脱、身体冷却、医療機関への搬送等熱中症による重篤化を防止するために必要な措置の実施手順の作成および関係作業者への周知。

 

これらの措置を怠った場合、6カ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される可能性があります。従業員の命を守るためにも、また法令遵守のためにも、今後は作業環境の見直しや従業員への教育・訓練の実施がより一層重要となります。

詳細は、厚生労働省のパンフレット・リーフレットをご参照ください。

【厚生労働省「職場における熱中症対策の強化について」】

https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001476824.pdf

 

カスハラ・就活セクハラ対策を盛り込む法改正が行われます         R7年7月    

6月4日、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律が参議院本会議で可決・成立しました。一部を除き、公布の日から起算して1年6月以内で政令で定める日に施行されます。

 改正の概要

1.ハラスメント対策の強化【労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法】

① カスタマーハラスメントを防止するため、事業主に雇用管理上必要な措置を義務付け、国が指針を示すとともに、カスタマーハラスメントに起因する問題に関する国、事業主、労働者及び顧客等の責務を明確化する。

② 求職者等に対するセクシュアルハラスメントを防止するため、事業主に雇用管理上必要な措置を義務付け、国が指針を示すとともに、求職者等に対するセクシュアルハラスメントに起因する問題に関する国、事業主及び労働者の責務を明確化する。

③ 職場におけるハラスメントを行ってはならないことについて国民の規範意識を醸成するために、啓発活動を行う国の責務を定める。

2.女性活躍の推進【女性活躍推進法】

① 男女間賃金差異及び女性管理職比率の情報公表を、常時雇用する労働者の数が101人以上の一般事業主及び特定事業主に義務付ける。

② 女性活躍推進法の有効期限を令和18年3月31日まで、10年間延長する。

③ 女性の職業生活における活躍の推進に当たっては、女性の健康上の特性に配慮して行われるべき旨を、基本原則において明確化する。

④ 政府が策定する女性活躍の推進に関する基本方針の記載事項の一つに、ハラスメント対策を位置付ける。

⑤ 女性活躍の推進に関する取組が特に優良な事業主に対する特例認定制度(プラチナえるぼし)の認定要件に、求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止に係る措置の内容を公表していることを追加する。

⑥ 特定事業主行動計画に係る手続の効率化を図る。

3.治療と仕事の両立支援の推進【労働施策総合推進法】

○ 事業主に対し、職場における治療と就業の両立を促進するため必要な措置を講じる努力義務を課すとともに、当該措置の適切・有効な実施を図るための指針の根拠規定を整備する。

【厚生労働省「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案の概要」】

https://www.mhlw.go.jp/content/001438881.pdf

https://www.mhlw.go.jp/stf/topics/bukyoku/soumu/houritu/217.html

 

 

 

年休取得義務化6年目の現状 ~厚生労働省「労働時間制度等に関する実態調査結果」より   R7年7月           

年次有給休暇のうち年5日の時季指定義務が法定されてから6年が経過しました。厚生労働省の調査によると、時季指定義務の運用方法は次のような割合(10人未満事業所を除く)になっています。

① 切替始めに計画年休制度により年5日を指定 16.3

② 労働者の意見を聞いた上で使用者が年5日を指定 14.2

③ 労働者の取得に委ねて年5日取得できている 62.0

④ 労働者の意見を聞かずに使用者が年5日を指定 1.9

⑤ 指定できておらず、年5日取得できていない 3.4

 

制度運用の課題

企業規模別では、「企業規模300499人」では①が38.4%と他の企業規模(10人未満を除く)の平均より約3倍も多くなっている一方、⑤が9.1%と約4倍も多いことです。つまり、300499人規模の企業では年間計画を立てている企業が多い一方、年5日取得できていない労働者がいる企業も多いということです。

これは、従業員が増えることで管理が難しくなることを示しています。管理のためには制度化が必要ですが、一方で計画を立てすぎると柔軟な運用が難しくなり、現場の納得感も得られにくくなります。制度の運用方法を見直す際は、こうした点に留意することが重要です。

 

消滅年休の活用

また、2年の時効を迎えた年次有給休暇については、「そのまま消滅」としている企業が60.0%と多数を占める一方、「特別休暇等として積み立てている」企業は6.6%にとどまっています。こうした有効活用の取組みは、企業の魅力向上にもつながる可能性があります。

現在、人手不足や採用難が深刻化しており、今後は介護離職による労働力不足も懸念されています。対策として、介護などの理由で年休を有効活用できる制度の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

【厚生労働省「労働時間制度等に関する実態調査結果について(概要)」】

https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001491863.pdf

技能五輪全国大会とは?                R7年7月

技能五輪全国大会とは?

国内の青年技能者(原則23歳以下)を対象に、技能競技を通じ、青年技能者に努力目標を与えるとともに、技能に身近に触れる機会を提供するなど、広く国民一般に対して技能の重要性および必要性をアピールし、技能尊重機運の醸成に資することを目的として実施する大会です。昭和38年から毎年開催され、幅広い職種を対象とする、唯一の全国レベルの技能競技大会です。以下で紹介する技能五輪国際大会の選手選考も兼ねています。

 

今年の開催(第63回)概要

開催期間は令和7年1017日(金)~1020日(月)まで、主催は、厚生労働省、中央職業能力開発協会および愛知県です。

 

競技職種

機械系、金属系、建設・建築系、電子技術系、情報通信系、サービス・ファッション系の以下42職種について実施が予定されています。

機械組立て、プラスチック金型、精密機器組立て、メカトロニクス、機械製図、旋盤、フライス盤、構造物鉄工、電気溶接、試作モデル製作、タイル張り、自動車板金、曲げ板金、配管、電子機器組立て、電工、工場電気設備、左官、家具、建具、建築大工、貴金属装身具、フラワー装飾、美容、理容、洋裁、洋菓子製造、自動車工、西洋料理、造園、和裁、日本料理、レストランサービス、車体塗装、冷凍空調技術、ITネットワークシステム管理、情報ネットワーク施工、ウェブデザイン、とび、時計修理、自律移動ロボット、介護

 

技能五輪国際大会も!

技能五輪国際大会は、参加各国における職業訓練の振興と青年技能者の国際交流、親善を図ることを目的に、現在、原則2年に1度開催されています。2026年9月に第48回技能五輪国際大会が中国・上海で開催されます。ちなみに、2028年開催の第49回大会の開催地は日本(愛知県)です!

ほかにも、技能グランプリ、若年者ものづくり競技大会など、技能レベルを競う大会が開催されています。

【厚生労働省「技能競技大会 (技能五輪大会等)」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/ginoukyougi/

 

 

 

 「骨太の方針」原案に記されたOTC類似薬の保険外し                      R7年7月           

6月に閣議決定される「骨太の方針2025」の決定に向けて、自民党、公明党、日本維新の会の3党で社会保険料の負担軽減協議が行われました。その中で、風邪薬、胃腸薬、湿布など市販薬と効能の似た「OTC類似薬」の一部について、政府が2026年度から公的医療保険の適用除外とする方向で調整していることが分かりました。

「OTC」とは、「Over The Counter(オーバー・ザ・カウンター)」の略で対面販売を意味し、「OTC医薬品」とは、医師の処方箋がなくても薬局で買える市販薬のことです。「OTC類似薬」とは、医師が処方箋を出す医療用医薬品のうち、OTC医薬品と効能やリスクが似ている薬のことです。

 

骨太の方針2025原案

原案の記述を見ると、「医薬品・検査薬の更なるスイッチOTC化など、セルフメディケーションを推進しつつ、薬剤自己負担の見直しを検討する。」という一文があります。この「スイッチOTC化」がOTC類似薬の保険外しを指しています。「セルフメディケーション」とは、自分自身の健康に責任を持ち、軽度な体の不調は自分で手当することを意味します。

したがって、上記の一文の意味するところは、「普段から健康に気を使い、お医者様にかかるほどではない体の不調が起きた場合、OTC医薬品を買える身近な薬局等に足を運べるように、OTC類似薬を保険から外して薬剤自己負担の見直しを図ります」、ということでしょう。

 

OTC類似薬の保険外しのメリット・デメリット

メリットはいうまでもなく、医療費を削減できることです。高齢者の増加や技術進歩に伴う医療の高額化によって医療費は増加ペースが加速傾向にあり、医療保険の財政は逼迫しているため、OTC類似薬の保険外しは医療保険全体を守ることに寄与します。

デメリットは、患者の負担が基本的に重くなることです。保険給付分が自己負担になるうえ、市販薬には販売価格に広告費などが上乗せされる可能性もあります。加えて、医師の診断なしに市販薬を選ぶことには、危険も伴います。患者が風邪と思って市販薬を買い求めたものの、実は重大な疾患が隠れており、診断の遅れにつながるということもあり得ます。

今回の保険外しは、患者の負担に配慮しながら品目の選定を進め、対象品目を段階的に拡大することも視野に入れるとのことですが、今後の動向が注目されます。

【内閣府「令和7年第7回 経済財政諮問会議」】

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2025/0606agenda.html

 

 

中小企業の正社員賃上げ率4.03% 実施しない企業も 二極化傾向に~日本商工会議所・東京商工会議所の調査より                               R7年7月           

日本商工会議所・東京商工会議所は6月4日、「中小企業の賃金改定に関する調査」集計結果を発表しました。全国の会員企業を対象に調査したもので、2025年4月14日から5月16日にかけて行い、3,042社から回答を得ました。

定期昇給とベースアップを合わせた正社員の賃上げ率が平均で4%を超えましたが、一方で、賃上げしない企業も全体の2割に及び、二極化の傾向がみられるとしています。

 

賃上げを実施する企業は全体で約7割、20人以下の小規模企業で約6割

2025年度に賃上げを実施した企業(予定を含む)は69.6%と、前年より4.7ポイント低下しました。20人以下の小規模企業では57.7%5.6ポイント低下しています。

また、現時点で「未定」との回答は23.5%で3.1ポイント上昇。価格転嫁の遅れや米国関税措置等で先行き不透明感を懸念する声もあり、昨年に比べ、「未定」の回答が増加しています。

 

正社員の賃上げ率は4.03%、昨年比0.41ポイントの増加

中小企業全体の正社員の賃上げ額(月給)は、加重平均で11,074円と、昨年より1,412円上回りました。賃上げ率は4.03%で、昨年対比では、0.41ポイント増加しています。

20人以下の小規模企業では、賃上げ額(月給)は加重平均9,568円、賃上げ率は3.54%で、昨年より0.20ポイントの増加です。

 

パート・アルバイトの賃上げ率は4.21%、昨年比0.78ポイントの上昇

パート・アルバイト等の賃上げ額(時給)は46.5円、賃上げ率は4.21%で0.78ポイントの増加です。

一方、20人以下の小規模企業では、賃上げ額は37.4円、賃上げ率は3.30%で、昨年より0.58ポイントの減少となっています。

 

賃上げ率は全体では4%を超えるなど、中小企業も賃上げに最大限努力していますが、小規模企業は全体と比較し賃上げ額・率ともに低位となっていることから、より重点的な支援が求められます。

【日本商工会議所・東京商工会議所「中小企業の賃金改定に関する調査」集計結果】

https://www.jcci.or.jp/20250604_research.pdf

 

 

改正公益通報者保護法が成立しました                               R7年7月           

6月4日に公益通報者保護法の一部を改正する法律案が参院本会議で可決、成立しました。公益通報者保護法は、従業員が公益のために事業者の法律違反行為の通報を行ったことを理由として解雇等の不利益な取扱いを受けることのないよう保護することを目的としており、下記について改正されます(公布から1年半以内に施行)。

 

フリーランスが「公益通報」の対象に

特定受託業務従事者(フリーランス)が公益通報者の範囲として追加されます。フリーランスや業務委託関係が終了して1年以内にフリーランスであった人が公益通報をしたことを理由に、業務委託に係る契約の解除等の不利益な取扱いをすることが禁止となります。

 

「解雇・懲戒」が刑事罰の対象に

 公益通報したことを理由に従業員などを解雇や懲戒処分にする行為を刑事罰の対象とし、処分を決めた担当者には「6か月以下の拘禁刑か30万円以下の罰金」を、法人には「3,000万円以下の罰金」を科すとしています。また、通報者が、通報後1年以内に解雇や懲戒を受けた場合は通報への報復を受けたと推定し、処分した側が「通報が理由ではない」と主張する場合はその立証責任を負うことになります。

 一方、通報者への不当な配置転換や嫌がらせへの罰則については、今回の改正では見送られました。

 

その他の改正事項

消費者庁長官の事業者(常時使用する労働者が300人超に限る)への執行権限の強化として、事業者への立入検査権、勧告に従わない場合の命令権が新設されました。また、通報妨害の禁止、公益通報者を探索する行為の禁止が新たに規定されました。

施行までに改正内容を把握し、自社の体制や運用を見直していくことが必要となります。

【消費者庁「公益通報者保護法の一部を改正する法律案」】

https://www.caa.go.jp/law/bills/#217