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人事労務管理最新情報

変化の激しい時代、人事を取り巻く状況も、常に変わっていきます。労働基準法をはじめとする法令はもちろん、労働市場の動向や各種アンケート調査の結果など、経営の視点で人事に関する最新の情報をピックアップしてお届けします。

注目の行動面接(STAR面接)とは                                                                       R4年3月           

いま注目の採用手法

GoogleAmazonの採用手法として、「行動面接(STAR面接)」というメソッドが注目を集めています。応募者の過去の行動特性や価値観、思考パターンなどが探れ、雇用のミスマッチ防止につながるといわれています。

コロナ禍でWeb面接が主流となり、対面と比べ、人柄がわかりづらいというデメリットもカバーできるということで、気になっている企業も多いのではないのでしょうか。

 行動面接(STAR面接)とは?

Situation(状況:どのような場面で)、Task(任務:どのような任務があり)、Action(行動:どのように行動して)、Result(結果:どんな成果があったか)といった過去の行動を質問し分析するやり方を、行動面接といい、それぞれの頭文字をとって「STAR」面接といいます。

 導入の際の留意点

面接官にとっては、質問を掘り下げることによって応募者の特性や性格などがわかり、また応募者にとっても、本音で回答しやすいというメリットがあります。

導入を検討する際は、企業側の評価基準をきちんと確立させ、質問の意図が明確になるように準備し、欲しい人材を合理的に見極められるように面接官同士の意識も共通させておく必要があるでしょう。

【株式会社Parame「STAR面接(行動面接)とは?メリットや実施のポイント、質問例を紹介」】

https://parame.jp/saiyou-mikata/star-interview/

【株式会社ミツカリ「行動面接(STAR面接)の手法とは?Googleの採用面接から学ぶ」】

https://mitsucari.com/blog/star_interview/

 

 

2022年の確定拠出年金はどう変わる?                                                                    R4年3月

確定拠出年金制度は、長期化する高齢期の経済基盤を充実できるよう、また、中小企業を含むより多くの企業や個人が制度を活用できるよう、制度の見直しが行われました。2022年度に施行される改正内容は次のとおりです。

4月施行―受給開始時期の上限が75歳に延長

2022年4月から企業型DCiDeCoの老齢給付金の受給開始時期を60歳(加入者資格喪失後)から75歳までの間で、ご自身で選択することができます。

 5月施行―企業型DCの加入可能年齢の拡大

現在、企業型DCに加入することができるのは65歳未満の方ですが、2022年5月から70歳未満の方まで拡大されます。ただし、企業によって加入できる年齢などが異なります。

 5月施行―iDeCoの加入可能年齢の拡大

現在、iDeCoに加入できるのは60歳未満の公的年金の被保険者ですが、2022年5月から65歳未満に拡大されます。

 

10月施行―企業型DC加入者がiDeCoに加入しやすくなる

現在、企業型DCに加入している方がiDeCoに加入するには、各企業の労使の合意が必要ですが、202210月から原則加入できるようになります。

ただし、企業型DCの事業主掛金とiDeCoの掛金、これらの合計額がそれぞれ以下のとおりであることが必要です。また、企業型DCにおいて加入者掛金を拠出(マッチング拠出)している場合などには、iDeCoに加入できません。

【企業型DCに加入している方がiDeCoに加入する場合】

・企業型DCの事業主掛金(①)→55,000円以内

iDeCoの掛金(②)→20,000円以内

・①+②→55,000円以内

【企業型DCと確定給付型(DB、厚生年金基金など)に加入している方がiDeCoに加入する場合】

・企業型DCの事業主掛金(①)→27,500円以内

iDeCoの掛金(②)→12,000円以内

・①+②→27,500円以内

 

 

令和3年分一般職業紹介状況と今後の採用活動                                               R4年 3月             

有効求人倍率は3年連続低下

厚生労働省は、毎月ハローワークにおける求人、求職、就職の状況を取りまとめ、一般職業紹介状況として公表していますが、2月1日に、令和3年12月分と令和3年分の数値を発表しています。

公表内容によれば、令和3年平均の有効求人倍率は1.13倍となり、前年の1.18倍を0.05ポイント下回っています。令和3年平均の有効求人は前年に比べ1.6%増、有効求職者は6.6%増となっており、コロナ禍による影響が長引いている状況が読み取れます。

 

直近の動き

一方、同時に出された令和3年12月の数値をみると、有効求人倍率(季節調整値)は1.16倍となり、前月を0.01ポイント上回っています。有効求人(季節調整値)は前月に比べ1.8%増、有効求職者(同)は1.6%増、新規求人(原数値)は前年同月と比較すると12.2%増となっています。産業別では、製造業(34.6%増)、情報通信業(20.4%増)、運輸業・郵便業(16.2%増)、サービス業(他に分類されないもの)15.1%増)などで増加となっているようです。

 

先行き不透明なものの持ち直している業種も

感染拡大の状況が不透明な中、企業側も一気に採用活動を活発化するというのも難しい状況ですが、業種によってはすでに感染拡大前を上回る水準となっているようです。

また、このタイミングで優秀な人材を獲得しようと戦略的に動く中小企業もあるようです。人材確保の課題は長期的にみると避けられないところですので、企業としても、自社の状況や市場を見極めながら、今後の採用活動の方針を検討したいところです。

【厚生労働省「一般職業紹介状況(令和3年12月分及び令和3年分)」

https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/000886204.pdf

 

 

 事業復活支援金の申請受付がスタート                                                R4年3 月

事業復活支援金とは?

 事業復活支援金の申請受付が開始されました。新型コロナウイルス感染症により大きな影響を受ける中堅・中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者に対して、事業規模に応じた給付金が支給されるものです。申請期間は5月31日までとされ、給付上限額は、中小企業で最大250万円、個人事業者で最大50万円です。

 以下の①②を満たす事業者が、業種や所在地を問わず給付対象となり得ます。

① 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者

② 202111月~2022年3月のいずれかの月の売上高が、201811月~2021年3月までの間の任意の同じ月の売上高と比較して50%以上または30%以上50%未満減少した事業者

 

給付対象外の例

 「①新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者」ではないと判断される例として、以下のものが挙げられています。

・実際に事業収入が減少したわけではないにもかかわらず、通常事業収入を得られない時期(事業活動に季節性があるケース(例:夏場の海水浴場)における繁忙期や農産物の出荷時期以外など)を対象月とすることにより、算定上の売上が減少している場合

・売上計上基準の変更や顧客との取引時期の調整により売上が減少している場合       

 そのほか、持続化給付金等で不正受給を行った者、公共法人、風営法上の性風俗関連特殊営業として届出義務のある者、政治団体、宗教法人は給付対象外としています。

 

申請方法

 登録確認機関による事前確認の後、事業復活支援金事務局が設置する申請用のWEBページから申請できます。なお、一時支援金または月次支援金の既受給者は、原則として改めて事前確認を受ける必要はありません。また、オンラインでの申請が困難な方向けに、申請のサポートを行う会場が全国に設置されています。

【経済産業省「中小法人・個人事業者のための事業復活支援金」】

https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_fukkatsu/

 

BCP(事業継続計画)に対する企業の意識      
R4年 3月                           

「オミクロンを機に策定」が約3割

帝国データバンクが行った調査の結果によると、BCP(事業継続計画)を策定していなかった企業のうち28.7%で、新型コロナのオミクロン株拡大を機に策定を検討しているそうです。一方、策定予定のない企業も24.3%となっています。

BCP策定済みの企業は38.0%ありましたが、うち20.6%は見直しの予定はないとのことで、対応にはバラツキも見られるようです。

 

平時において危難のときを思う

オミクロン株については、これまでに比べて持病のある高齢者等以外では重症化する割合は少ないともみられており、これまでの対応のままで様子見という企業も多いのでしょうか。

ただ、BCPは感染症対策だけではなく、災害、システム障害や不祥事といった危機的状況にも備えるものです。コロナ対応が一段落しているのであれば、次の対策にも取り組みましょう。地震・火山噴火等、災厄はまさかというタイミングにこそ起きがちです。平時において危難のときを思う、の心掛けで備えておくべきでしょう。

 

会社の責任として

BCPは、会社が被る甚大な影響を防ぐ目的もありますが、社員の安全配慮義務がある会社の責任として取り組み、状況に合わせて継続的に見直していく必要があります。見直しの過程で、業務の非効率な部分や無駄なものも発見できるかもしれません。

取引先からの信頼が向上したり、税制上の優遇につながったりする場合もありますので、この機会に策定に取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

【帝国データバンク「オミクロン株の感染拡大を踏まえた事業継続計画(BCP)に関する企業の動向アンケート」】

https://www.tdb-di.com/special-planning-survey/oq20220118.php

 

中小企業でも被害が急増中! 「ランサムウェア」対策を講じておきましょう!                                R4 年3月

増える「ランサムウェア」被害

身代金要求型のコンピュータウイルス「ランサムウェア」の被害が深刻化しています。警察庁によると、昨年1年間の被害相談は33都道府県で146件に上り、統計を取り始めた一昨年(4月~12月)の23件から急増しました。

ランサムウェアは、システムに侵入して、データを暗号化する、閲覧・編集権限を剥奪するなどによりデータを使用不能にし、その復旧の見返りとして身代金を要求するウイルスです。身代金の支払いに応じなければデータを公開するとの脅迫がなされることもあります。

 

中小企業こそ「ランサムウェア」対策が必要

「ランサムウェアの対象は大手企業」と思われがちですが、中小企業ほど警戒すべきといえます。今や業務でパソコンやインターネットを利用するのは当たり前のことですが、セキュリティが堅牢な大企業に比べ、中小企業ではまだまだセキュリティ意識が低いことが多く、またセキュリティ強化のための予算や人材を確保しづらいといった理由から、ランサムウェアが侵入しやすい状況となっているためです。実際、警察庁の前記統計では、79件の中小企業が被害に遭っていました。“我がこと”として対策を講じておかなければなりません。

 

必要な「ランサムウェア」対策

対策として最も有効なのは、セキュリティソフトを導入することです。ただし、セキュリティソフトは未知のものには機能しませんので、定期的にアップデートを行いましょう。また、ライセンスの期限にも注意が必要です。

ランサムウェアではデータが暗号化等されることにより、業務に必要なデータが使用できなくなって業務に支障が生じることも考えられます。万が一の事態に備えて、重要なデータは常にバックアップを取っておくことも大切です。

 

 

会社主導の異動には十分な情報提供が活躍のカギ                                                         R4 年3月

新年度も間近となり、人事異動の検討・実施がされる頃かと思います。今回は、パーソル総合研究所が実施した「一般社員層(非管理職層)における異動配置に関する定量調査」(実施期間2021年7月21日~8月1日)より、会社主導による異動配置を行う際に、会社に求められる点を紹介します。

 

会社主導の異動をネガティブに受け取った層は25.4

調査結果では、会社主導の異動について、納得していない、かつネガティブに受け取っている層は25.4%でした。また、上司から「異動の理由について、十分な説明があった」とした層は40%に留まっています。

 

異動後の活躍・適合を促進する配置前後の要因

しかしながら、同調査・分析では、上司・組織による異動理由の十分な説明や、異動後の役割・期待感を伝えるなどのコミュニケーション、異動後の部門間による連携・協働の期待が、本人の異動に対する肯定的な受け止め方(ポジティブに受け取った・納得していた)や異動後の活躍適合の見通し(今までの経験を活かして活躍できそうなど)を高め、異動後の活躍・適合度を促進することが示唆されています。

また、異動後の上司からのコミュニケーション、例えば、新しいポジションでの役割や期待感を伝えてくれた(役割・期待感の通知)、今後のキャリアについて相談ができた(キャリア相談)、本人のスキルや経験・知識を把握してくれた、本人の強みや弱みを理解しようとしてくれた(部下理解)などが、本人の異動後の活躍・適合度を促進していることも示唆されており、異動前後の十分な情報提供、コミュニケーションの促進が、その後の活躍のカギとなるようです。

【パーソル総合研究所「一般社員層(非管理職層)における異動配置に関する定量調査」調査結果】

https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/assets/personnel-relocating.pdf

 

 

 

外国人労働者数、雇用事業者数とも過去最高、増加率はやや鈍化 ~厚労省まとめ(令和3年10月末現在)                                               R4 年3月

厚生労働省は1月28日、昨年10月末現在の外国人雇用についての届出状況の取りまとめを公表しました。

届出の対象は、事業主に雇用される外国人労働者(特別永住者、在留資格「外交」・「公用」の者を除く。)で、数値は令和3年10月末時点で事業主から提出のあった届出件数を集計したものです。

 

外国人労働者数、外国人を雇用する事業所数ともに、届出の義務化以降最高を更新

外国人を雇用する事業所数は285,080か所、外国人労働者数は1727,221人で、昨年10月末現在の267,243か所、1724,328人に比べて、1万7,837か所、2,893人の増加となっています。

外国人を雇用する事業所数および外国人労働者数ともに、平成19年に届出が義務化されて以降で最高の数値を更新したものの、対前年増加率は、事業所数で6.7%と前年10.2%から 3.5ポイントの減少、労働者数で0.2%と前年4.0%から3.8ポイントの減少といずれも減少しています。

 

国籍別では、ベトナムが最多の453,344人。次いで中国、フィリピン

国籍別にみると、ベトナムが最も多い453,344人で、外国人労働者数全体の26.2%を占めています。次いで、中国397,084人(同23.0%)、フィリピン191,083人(同11.1%)の順となっています。

 

産業別では「製造業」が最多で、全体の27.0

外国人労働者数の産業別の割合をみると、「製造業」が27.0%を占め、次いで「サービス業(他に分類されないもの)」が16.3%、「卸売業、小売業」が13.3%となっています。

※外国人雇用状況の届出制度は、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律に基づき、外国人労働者の雇用管理の改善や再就職支援などを目的とし、すべての事業主に、外国人労働者の雇入れ・離職時に、氏名、在留資格、在留期間などを確認し、厚生労働大臣(ハローワーク)へ届け出ることが義務付けられています。

【厚生労働省:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)】

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23495.html

労働所得格差の動向~内閣府レポートより                                                                              R4 年3月

内閣府は、国内経済の現状分析や動向などをまとめた「日本経済2021-2022 成長と分配の好循環実現に向けて」を公表しました。このレポートの第3章第3節では、「格差の動向と課題」と題し、労働所得や世帯所得、資産、資産所得の格差の変化について分析しています。そのうちの労働所得の格差についてまとめます。

 

非正規雇用者の増加により収入分布に変化

2019年の正規雇用者の年間収入の分布では、男性は2001,000万円未満の所得層が大部分を占めていて、300万円と500700万円未満の所得層でそれぞれにピークがみられます。女性は200700万円未満の所得層が大部分を占めていて、200万円台でピークがみられます。

 パートアルバイト等の非正規雇用者の年間収入の分布では男女ともに300万円未満の所得層が大部分を占めています。2002年の分布と比較すると、男女のピークに変化はないものの、女性の人数は50300万円未満の所得層で増加していることがわかりました。また、2002年以降は、年間収入が300万円未満の所得層の割合が増加傾向であり、500万円以上の所得層の割合は、1,500万円以上の層を除いて減少傾向であることがわかりました。

 

2534歳の所得格差が拡大

 労働所得の分布について、格差を示す代表的な指標であるジニ係数(0~1の値で示され、1に近いほど格差が大きい)を計算してみると、20022007年にかけて緩やかに上昇した後、2017年にかけて緩やかに低下しています。

 年齢別では、ジニ係数は全体的に緩やかに低下していますが、これは団塊の世代が退職したことにより全体の格差が縮小したと考えられます。

また、2534歳の層ではジニ係数が上昇しています。これは20022017年にかけて男性の非正規雇用比率が上昇し、労働時間が減少したことなどが背景にあると考えられます。

【内閣府「日本経済2021-2022 成長と分配の好循環実現に向けて」】

https://www5.cao.go.jp/keizai3/2021/0207nk/keizai2021-2022pdf.html