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人事労務管理最新情報

変化の激しい時代、人事を取り巻く状況も、常に変わっていきます。労働基準法をはじめとする法令はもちろん、労働市場の動向や各種アンケート調査の結果など、経営の視点で人事に関する最新の情報をピックアップしてお届けします。

マイナンバーカードの登録情報が誤っていた場合の対処                                       R5年7月           

誤紐付けが相次いで発覚

 マイナンバーカードに紐付けされた情報に次々と誤りが見つかっています。万が一誤った情報が登録されていることに気づいた場合の対処法を紹介します。

 健康保険証情報

 フリーダイヤル(0120-95-0178。音声ガイダンスに従って「4→2」に進む)か、加入している医療保険の保険者に問い合わせます。

 情報が正しく登録されているかを確認する場合は、マイナポータルにログインし、「注目の情報」の「最新の健康保険証情報の確認」を押して、「あなたの健康保険証情報」から、登録されている健康保険証情報を確認します。

 公金受取口座情報

 マイナポータルにログインし、「注目の情報」の「公金受取口座の登録・変更」を押して「公金受取口座の登録状況ページ」にて、登録されている情報を確認します。口座情報に誤りがある場合は、このページから登録口座の削除を行います。

 マイナポイントに関する情報

 「マイナポイント」アプリ・サイトのトップ画面から「申込み状況を確認」を押すと、マイナポイント申請が正しく登録されているか確認できます。

 申込みをした覚えがないのに申込済みとなっていた場合や心当たりのない決済サービスが登録されていた場合は、上記フリーダイヤルで音声ガイダンスに従って「5」に進むか、申込みをした自治体(手続支援窓口)に問い合わせます。

問合せの際は、上記サイト・アプリの「申込状況の確認」から、「マイキーID」「申込日時」「決済サービス」「決済サービスID」の情報が必要になります。

 

【デジタル庁「よくある質問:マイナンバーカードの健康保険証利用について」】

https://www.digital.go.jp/policies/mynumber/faq-insurance-card/

 

【デジタル庁「マイナンバーカード関連サービスの誤登録等の事案に関するご質問・ご不安にお答えします」】

https://www.digital.go.jp/policies/mynumber/related-services-issue/

 

2025年卒学生のキャリア形成志向()学情のアンケート調査より                                 R5年7月

概 要

 スカウト型就職サイトを運営する株式会社学情は、2025年卒学生を対象に「キャリア形成」をどのように考えているかのアンケート調査を行いました。調査内容は、以下の3点です。

(1) キャリア形成の志向

(2) 「ジョブ型」採用への興味の有無

(3) 「ジョブ型」のインターンシップへの興味の有無

 キャリア形成の志向

 キャリア形成は、「自身で主体的に選択したい」(29.8%)と「どちらかと言えば自身で主体的に選択したい」(34.4%)を合わせると、65%以上が自主的にキャリア形成を考えたいという傾向にあることがわかります。企業に依存したいという学生は、15.6%に留まっています。

 

(2) 「ジョブ型」採用への興味の有無

「ジョブ型」採用について、「興味がある」(44.6%)と「どちらかと言えば興味がある」(36.8%)を合わせると、81.4%の学生が「ジョブ型」採用に興味があると回答しています。前年同時期(2024年卒対象)の回答は67.7%で、昨年よりも「ジョブ型」採用に興味がある学生が増加していることがわかります。

 

(3) 「ジョブ型」のインターンシップへの興味の有無

「ジョブ型」のインターンシップについて、「参加したい」(40.9%)とどちらかと言えば参加したい」(37.9%)を合わせると、78.8%が「ジョブ型」のインターンシップに興味があると回答しています。

 

 間もなく本格的な採用シーズンとなります。自立的なキャリア形成を望む学生が増えていることを念頭に、採用準備を進めましょう。

 

【株式会社学情「あさがくナビ」】

https://ferret-one.akamaized.net/files/645b38b63b90c701e71f1bd1/230512-navienq.pdf?utime=1683699894

 

人手不足に陥っていない企業はどういった施策をとっているか                                           R5年 7月

総務省の統計では、202212月時点で、日本の1564歳人口は前年同月比0.28%減、人数にすると208,000人も減っています。また、これから働く年齢になる15歳未満人口は同293,000人も減少しています。総人口の推移を見ると、2019年以降加速度的に減少しており、2023年5月時点の概算では、総人口は前年同月比57万人減となっています。

 人手が不足していない企業がしていること

新型コロナの5類移行を受け、多くの企業で人手不足感が高まるなか、不足していないという企業もあります。帝国データバンクのアンケート調査の結果によると、「人手が不足していない要因」(複数回答)として、主に次のような施策を挙げた企業が多くありました。

(1)賃金や賞与の引上げ(51.7%)

(2)働きやすい職場環境づくり(35.0%)

(3)定年延長やシニアの再雇用(31.2%)

(4)福利厚生の充実(26.6%)

(5)公平で公正な人事評価(22.0%)

(2)の「働きやすい職場環境」とは清潔保持や休憩スペース、社内相談窓口の設置などです。また、(4)と(5)は、労働者が自身の成長を感じられたり、安心できる職場にあるという施策です。

 賃上げの必要性

世界的な物価高騰を受け実質賃金が低下するなか、賃金や賞与の引上げに取り組めない企業(あるいは取り組む姿勢を見せていない企業)では、従業員満足度や安心感が低下して優秀な人材が流出し、企業の競争力低下から新規採用もおぼつかなくなる、運よく採用できたとしても人を育てる余裕がなく早期離職……、というような悪循環に陥ります。

「人は石垣、人は城」という古語にもある通り、会社を支える一番の力は、信頼できる人の力です。会社を信頼してくれる従業員が1人でも多く育つよう、会社は自らの進む先を示しつつ率先して変わるべきでしょう。

 

【帝国データバンク「企業における人材確保・人手不足の要因に関するアンケート」】

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p230506.pdf

 

 

男性の家事・育児休業等の実態は?~経団連のアンケート調査等から                                        R5年7月

日本経済団体連合会(経団連)から、「男性の家事・育児に関するアンケート調査結果」が公表されました。主な調査結果は次のとおりです。

なお、調査対象が経団連の会員である大規模企業でありサポートが手厚いことに留意する必要があります。参考までに厚生労働省の調査による一般の数字も掲載しました。

 ◆育児休業取得率

2022年の男性の育児休業取得率は47.5%となり、前年(29.3%)から大きく上昇。背景としては、2022年4月に個別周知・意向確認が義務化されたことや、同年10月より、産後パパ育休が創設されるとともに育児休業の分割取得が可能となったことなどがあると考えられる

→厚生労働省の調査では、一般の男性の育児休業取得率は13.97%(2021年)

○女性の育児休業取得率は過去5年間90%以上で推移しており、2020年以降は95%超

→厚生労働省の調査では、一般の女性の育児休業取得率は85.17%(2021年)

 ◆男性の育児休業期間

2022年における男性の育児休業平均取得期間は43.7日(約1.5カ月)。1カ月以上取得している企業は約6割(59.9%)

→厚生労働省の調査では、一般の男性の育児休業取得期間は「5日~2週間未満」が26.5%、「5日未満」が25.0%と2週間未満が5割を超えている

 

男性の家事・育児を促進する上での課題

○男性の家事・育児を促進する上での課題としては、「家事・育児と仕事を両立する社員の代替要員の不足」が最も多い(83.5%)。これに「アンコンシャス・バイアスが存在するなど家事・育児と仕事を両立しづらい職場風土」(67.3%)、「長時間労働や硬直的な働き方」(59.4%)が続いている

 

育児休業取得率や取得期間の数字は大企業のほうが高いことがわかります。上記の課題は中小企業でも参考になりそうですね。詳しくは下記をご参照ください。

 

【経団連「男性の家事・育児に関するアンケート調査結果(2023年6月5日)」】

http://www.keidanren.or.jp/policy/2023/040.pdf

 

 

 

副業への労働者の意識は?~()労働政策研究・研修機構の調査より                             R5年7月          

平成30年1月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定(令和2年9月に改定)するなど、政府は副業・兼業(以下、「副業」という)を推進しており、企業にもそのための対応を求めているところです。では、実際、労働者の副業の実施状況や副業への意識はどのようになっているのでしょうか。

 副業をしている人は6.0

独立行政法人労働政策研究・研修機構が実施した「副業者の就労に関する調査」(調査期間:令和4年10月3日~1013日。有効回答:188,980人(1864歳の男女))によれば、仕事を持つ人のうち「副業者」(仕事は2つ以上(副業をしている))の割合は 6.0%となっており、まだ副業をしている人の割合が高いとはいえない状況です。

 また、本業の勤め先に副業をしていることを「知らせていない」が37.5%となっており、実際には副業をしていても本業先に伝えていない人も一定数いることがわかります。

 副業を希望する人は約3割

調査数値をみるとまだ広まっているとはいえない副業ですが、同調査で、今後副業をしたいと思うか尋ねたところ「副業したいと思う」が33.2%となっています。これは「副業したいとは思わない」(46.2%)を下回りますが、副業を希望する理由の上位に挙がっている「収入を増やしたいから」「定年後に備えるため」の背景にある労働環境が続いていけば、今後副業の実施状況も変化するかもしれません。

 副業にまつわる企業実務

 副業者の労務に関しては、労働時間管理や労働・社会保険など実務上押さえておくべきポイントが多岐にわたります。今後は、副業者がいない企業についても、あらかじめこれらの知識をある程度身につけておく必要があるでしょう。

 

【独立行政法人労働政策研究・研修機構「副業者の就労に関する調査」プレスリリース】

https://www.jil.go.jp/press/documents/20230519.pdf

 

 

 

就活ハラスメント防止のためにできること                                                    R5年7月           

就活ハラスメントとは

 就活ハラスメントとは、「就職活動中やインターンシップ中の学生等に対するセクハラやパワハラ」のことを指します。令和2年度の調査では、約4人に1人が被害に遭っているという結果も出ています。具体的な行為として、性的な冗談やからかい、食事やデートへの執拗な誘いなどが挙げられるほか、学生が他社の選考を受けられないよう妨害したり、他社の内々定の辞退を迫ったりする、いわゆる「オワハラ(就活終われハラスメント)」も含まれます。決して許されない行為であることはもちろん、明るみに出れば企業も大きなダメージを受けることになります。対策は必須といえるでしょう。

 先進事例にみる防止策

 では、会社としてどのような取組みができるのでしょうか? 以下のような施策が望ましいとされています。

(1) ハラスメント防止の方針の明確化

全従業員(特に採用担当者)に対し、ハラスメント禁止の方針を明確にする/行為者を処分する社内規定や規則(懲戒処分等)の設定と周知

(2) ハラスメント防止体制の整備

継続的な研修の実施/複数名での学生対応など採用活動におけるルールを明確化/学生向けの相談窓口の設置と周知

 さらに、厚生労働省の「就活ハラスメント防止対策企業事例集」では、先進事例における3つの共通項として、①「公正な採用選考」に基づいた面接実施、②リクルーターの行動指針やマニュアル策定、③応募者の個人情報の限定利用を挙げています。

 

 採用活動を行うすべての企業で起こり得る問題だからこそ、事前の防止策を検討しておくことが重要です。

 

【厚生労働省「就活ハラスメント防止対策企業事例集」】

https://www.mhlw.go.jp/content/11910000/001065368.pdf

 「物流革新に向けた政策パッケージ」案が公開されました                              R5年7月

トラックドライバーの長時間労働が規制され、荷物の3割が届けられなくなるとも示唆される物流の2024年問題について、令和5年6月2日に行われた関係閣僚会議で対策がまとめられました。

大きく分けて(1)商慣行の見直し、(2)物流の効率化、(3)荷主・消費者の行動変容について、抜本的・総合的な対策を行うことで、荷主企業、物流事業者(運送・倉庫等)、一般消費者の3者が協力して物流を支える環境を整備することを目指しています。

 商慣行の見直し

① 荷主・物流事業者間における物流負荷の軽減  ② 納品期限、物流コスト込み取引価格等の見直し  ③ 物流産業における多重下請構造の是正  ④ トラックGメン(仮称)の設置等  ⑤ 担い手の賃金水準向上等に向けた適正運賃収受・価格転嫁円滑化等  ⑥ トラックの「標準的な運賃」制度の拡充・徹底

 物流の効率化

① 即効性のある設備投資の促進  ② 物流GXの推進  ③ 物流DXの推進  ④ 物流標準化の推進  ⑤ 物流拠点の機能強化や物流ネットワークの形成支援  ⑥ 高速道路のトラック速度規制の引上げ  ⑦ 労働生産性向上に向けた利用しやすい高速道路料金の実現  ⑧ 特殊車両通行制度に関する見直し・利便性向上  ⑨ ダブル連結トラックの導入促進  ⑩ 貨物集配中の車両に係る駐車規制の見直し  ⑪ 地域物流等における共同輸配送の促進  ⑫ 軽トラック事業の適正運営や安全確保  ⑬ 女性や若者等の多様な人材の活用・育成

 荷主・消費者の行動変容

① 荷主の経営者層の意識改革・行動変容  ② 荷主・物流事業者の物流改善の評価・公表  ③ 消費者の意識改革・行動変容を促す取組み  ④ 再配達率「半減」を含む再配達削減  ⑤ 物流に係る広報の推進

 

政府は今後、速やかに2024年における規制的措置の具体化を前提として荷主企業・物流事業者が取り組むべき事項をガイドラインとして策定し、荷主・物流事業者等に対し、業種・分野別の「自主行動計画」を年内目途に作成・公表することを要請する予定です。さらに、2023年末までにトラック輸送に係る契約内容の見直しに向けた「標準運送約款」「標準的な運賃」の見直しや、再配達半減に向けた対策等、2024年通常国会での法制化を視野に段階的に推進していくとしています。物流事業車・運送業者を顧問先に持つ場合はもちろんのこと、他業種も消費者として無関係ではいられません。ドライバーの負担軽減のため、取組みを進めましょう。

 

【内閣官房「物流革新に向けた政策パッケージ()」】

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/buturyu_kakushin/dai2/siryou.pdf

 

公正な採用選考実施のための基本的な考え・取組み                  R5年7月

日本労働組合総連合会は、採用選考における就職差別の実態を把握するための調査を実施しました(※)。その結果、「採用試験の面接で、不適切だと思う質問や発言をされた」と回答した人が19.5%(例えば「女性だからどうせ辞める」など)、「本籍地や出生地に関すること」を質問されたと回答した人が28.3%に上るなどの実態がわかりました。

厚生労働省は、事業主に対して求職者の基本的人権を尊重した差別のない公正な採用選考実施に向けての基本的な考え方や取組みについて案内しています。

 採用選考の基本的な考え方

応募者の基本的人権を尊重すること、応募者の適性・能力に基づいて行うことを基本的な考え方として実施することが重要。

 公正な採用選考を行うために配慮すべき事項

応募者の適性と能力に関係がない事項を応募用紙等に記載させたり面接で尋ねたりすることは、就職差別につながるおそれがある。

a.本人に責任のない事項の把握……本籍・出生地に関すること(注:「戸籍謄()本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当)、家族に関すること など

b.本来自由であるべき事項の把握……支持政党、人生観、尊敬する人物、購読新聞・愛読書などに関すること

c.採用選考の方法……身元調査などの実施(「現住所の略図」は生活環境などの把握や身元調査につながる可能性がある)、合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施

 『応募用紙』について

新規中卒者は「職業相談票(乙)」、新規高卒者は「全国高等学校統一応募書類)を用いることとされており、厚生労働省のHPに様式が掲載されています。また、新規大卒者やその他の求職者についても様式例が公表されていますが、事業主が独自に応募用紙やエントリーシートの項目・様式を設定する場合は、適性と能力に関係のない事項を含めないよう留意が必要としています。

 

【日本労働組合総連合会「就職差別に関する調査2023」】

https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20230531.pdf?9528

労働者死傷病報告等の電子申請が原則義務化されます
R5年7月

厚生労働省の労働政策審議会は、労働者死傷病報告等の電子申請を原則義務化とする、じん肺法施行規則等の一部を改正する省令案をまとめました。施行は令和7年1月を予定しています。

 電子申請義務化の概要

改正案は、労働者死傷病報告等の電子申請を義務化することで事業者の負担軽減や報告内容の適正化、統計処理の効率化を図ることができるとしています。

電子申請が原則義務化される報告は以下のとおりです。

・労働者死傷病報告

・じん肺健康管理実施状況報告

・総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告

・定期健康診断結果報告書

・有害な業務に係る歯科健康診断結果報告書

・心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書

・有機溶剤等健康診断結果報告書

 電子申請がスマートフォン等からでも可能となるよう、「労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス」のシステム改修を行い、e-Govと連携することになります。また、パソコン、スマートフォン等を所持していない事業者については、労働基準監督署に設置しているタブレットにおいて電子申請ができる体制を整備するとしています。

なお、電子申請が困難な場合は、紙媒体での報告も経過措置として認められます。

 労働者死傷病報告の報告内容の改正

労働者死傷病報告の報告内容を記入する際に、詳細な業種や職種別の集計や、災害発生状況や要因等の的確な把握が容易となるよう、コード入力方式への変更および記載欄の分割が行われます。

また、休業4日未満の災害に係る報告について、電子申請の原則義務化に伴い一層の活用を図るため、「労働保険番号」や「被災者の経験期間」、「国籍・在留資格」、「親事業場等の名称」、「災害発生場所の住所」など、様式上、明確に記入欄が設けられていなかった事項についても報告事項に加えられるとしています。

 

【厚生労働省「じん肺法施行規則等の一部を改正する省令案要綱」の答申結果】

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33137.html