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人事労務管理最新情報

変化の激しい時代、人事を取り巻く状況も、常に変わっていきます。労働基準法をはじめとする法令はもちろん、労働市場の動向や各種アンケート調査の結果など、経営の視点で人事に関する最新の情報をピックアップしてお届けします。

テレワーク導入への自宅環境は?~リクルート住まいカンパニー調査より         R2 年 4 月

調査の概要

株式会社リクルート住まいカンパニーが2月25日、東京・神奈川・千葉・埼玉・群馬・茨城・栃木・長野・山梨に住居を置く20歳~64歳の会社員(正規・非正規問わず)・公務員・自営業・自由業等の男女に実施した、「テレワーク(リモートワーク)×住まいの意識・実態調査」の結果を公表しました。

テレワークの実施率

テレワークの実施については、17%が既に「実施中」、28%が「導入を考えている・興味がある」、55%が「興味がない・仕事の性質上無理」と回答しています。

職種別にみてみると、実施中で多いのが「企画/マーケティング」(38%)、「Web/クリエイティブ系」(30%)、「エンジニア」「営業」(ともに24%)、「事務・経理・総務・人事」(16%)と続きます。公務員でも12%が導入済です。

「導入を考えている」との回答で注目すべきは、「事務・経理・総務・人事」で、34%が興味があるとしています。HRテクノロジーの発展により、事務系は確実にテレワークができる環境が整いつつあるようです。

自宅環境整備の実施率

・テレワーク実施場所

最も多かったのは、「リビングダイニング」(59%)で、そのうち専用のスペースがあるのは20%。その他、「書斎等専用ルーム」(19%)、「カフェ・喫茶店」(12%)、「寝室・ベッドルーム」(10%)と、圧倒的に自宅で働く人が多いようです。

・自宅環境の整備

テレワーク実施にあたり、自宅を仕事に適した環境に整えたかという質問では、70%が「環境を整えた」と回答しています。その内容として、「仕事の資料・PC置き場・収納スペースを作った」(28%)、「ネットワーク環境を整えた」(26%)、「モニター・プロジェクター等用意した」(24%)が挙がり、金額的には、10万円以下を費やした割合が64%と過半数を超えています。

その他

賃貸住宅居住者に至っては、現在の住宅にシェアオフィスやコアワーキングスペースが備わる場合、66%が「家賃が上がっても良い」と回答しています。また、テレワークをきっかけに、「引越しをした」割合が10%、また「前向きに検討している・してみたい」と回答した割合が42%ありました。

今夏の東京オリンピックに向けて、テレワークの導入検討・準備を進めていた企業は多かったと思います。そんな矢先、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、大企業を筆頭に前倒しでテレワーク導入を始めた企業が多くみられます。急ピッチでの整備が求められます。

【リクルート住まいカンパニー「「テレワーク×住まいの意識・実態」調査結果」】

https://www.recruit-sumai.co.jp/press/2020/02/70.html

増加傾向が続く転職者の状況と採用形態の多様性                                    R2年4 月

2019 年の転職者数は過去最多

人手不足の状況が続いていますが、企業も人手確保のために積極的に中途採用・経験者採用を行っているようです。

総務省が発表した労働力調査の詳細集計の結果によれば、2019年の転職者(※)数は351万人と、比較可能な2002年以降で過去最多となりました。

※就業者のうち前職のある者で、過去1年間に離職を経験した者

 

5564歳と65歳以上では転職者比率が過去最高

就業者に占める転職者の割合を年齢階級別にみると、若年層で割合が高く、1524歳で12.3%、2534歳で7.8%となっています。近年ほぼ横ばいで推移していたところ、2019年は前年に比べて大きく上昇しています。また、35歳以上の階級でもわずかながら上昇傾向は続いており、特に5564歳、65歳以上では2019年に過去最高となっています。

 

転職理由は「より良い条件の仕事を探すため」

転職者の離職理由としては、「より良い条件の仕事を探すため」が1位となっており、転職者数の3~4割を占めています。次いで「定年又は雇用契約の満了」「会社都合」「家事・通学・健康上の理由」と続きます。2002年以降の調査結果をみても、景気悪化により会社都合による転職等が一時的には増えますが、この離職理由は常にトップとなっています。

 

採用の多様性を踏まえて人材確保の取組みを

現在、新卒学生の採用についても、通年採用を拡大することが経団連と大学で合意され、横並びの一括採用が見直されつつあります。採用形態にも多様性が求められてきているなか、企業も人手確保のために、中途採用・経験者採用含め、積極的に人を集める工夫を行っていきたいところです。

 

 

緊急時に備え、事業継続計画(BCP)策定を                                        R2 年 4 月

事業継続計画(BCP)とは

 新型コロナウイルス感染症の流行により、企業活動に多大な影響が出ています。そんなとき役立つのが、事業継続計画(Business Continuity Plan。以下、BCP)です。

 BCPとは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃、感染症の蔓延などの緊急事態に遭遇した場合に、損害を最小限にとどめつつ、事業の継続・早期復旧を可能とするため、緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。また策定したBCPを円滑に運用・管理することを、事業継続マネジメント(BCM)と呼びます。

 

未策定の企業が大多数

日本では、毎年多くの自然災害が発生しています。しかし、中小企業のほとんどがBCPを策定していません。必要であるという認識はあるものの、通常業務に比べ優先度が低く、策定に至っていない企業が多いと考えられます。また、策定にかかる時間や、リスク分散のために必要となる費用等を負担に感じるということもあるようです。とはいえ、策定していない場合に被る損失を考えると、策定のメリットは大きいでしょう。

 

策定手順と留意点

 中小企業庁では、中小企業へのBCPの普及促進のため、有識者の意見を踏まえた指針を作成しています。指針によると、初めて策定する際は、以下の手順で進めるとされています。

 ① 基本方針の立案(目的の整理)

 ② 重要商品の検討(中核事業の選定)

 ③ 被害状況の確認(予測される影響の整理)

 ④ 事前対策の実施(非常時に備えて今できること)

 ⑤ 緊急時の体制の整備(対応策と責任者の決定)

 最初から完全な計画を目指す必要はありません。まずは実現可能なものから始め、緊急事態への対応力を鍛えていくことが重要です。

 また、BCPは策定して終わりではありません。従業員への教育と、会社の現状を踏まえた見直しが必要です。いざというときに事業を継続するにはどうすればいいか、自社の実態に合ったBCPを考えておきましょう。

【中小企業庁「中小企業BCP策定運用指針」】

https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/index.html

 

技能継承がうまくいっている/いっていない企業の特徴                                       R2 年 4 月

 

約8割の企業が不安に感じている

ものづくり産業では、約8割の企業で将来の技能継承について不安を抱えています。(独)労働政策研究・研修機構の調査によると、大多数の企業では技能継承を重要と認識するものの、うまくいっている企業は半数弱との結果が出ています。

 

技能継承がうまくいっている企業の特徴

そうした中でも、人材の定着がよく、近年の採用がうまくいっている企業は、技能継承もうまくいっていると認識しているようです。そうした企業の特徴としては、若手中心か各世代均等の年齢構成で、先を見越した育成方針があり、その方針が社内に浸透している企業ほど技能継承はうまくいっているとの調査結果が出ています。

数年先の事業展開を考慮して、その時必要となる人材を想定しながら能力開発を行っており、そうした方針が明確になっている企業ほど、若手人材も採用できるということでしょう。

 

技能継承がうまくいっていない企業の特徴

一方、技能継承がうまくいっていない、あるいは不安を抱えている企業の特徴は次のようなものです。

・採用がうまくいっていない

・ベテラン中心である。中堅不足である。

・技能者育成がうまくいっていない。

・人材育成・能力開発の方針がない、浸透していない。

 

若手へのアピール

人手不足が深刻な他業種(例えば運送業)でも、スマホ向けのホームページを作ったり、賃金制度を明確にする、業種の特性に合わせた採用方法にするなどして若手採用の増加に成功した事例があるようです。

ものづくり産業では、最終製品を生産して自社ブランドで販売する企業もあり、若手にアピールする手段として使えそうです。部品を提供するのが主だという企業でも、技術力のブランド化などを行い、自社の魅力をアップすることはできるでしょう。

新型コロナウイルスの影響により、製造業の国内回帰という流れもありそうですので、いま一度、自社の採用について深く考えてみてはいかがでしょうか。

【労働政策研究・研修機構「ものづくり産業における技能継承の現状と課題に関する調査結果」】

https://www.jil.go.jp/institute/research/2020/194.html

 

 

書類送検された事例も! 「転倒災害防止」について改めて考えてみましょう         R2 年 4 月

転倒災害で書類送検

三重県津市のテーマパークの建設現場で安全対策を怠ったとして、津労働基準監督署は、20191210日、労働安全衛生法23条(事業者の講ずべき措置)違反の疑いで、建設業者と同社の現場監督の男性を書類送検しました。工事現場通路の仮設門に強風対策で取り付けるワイヤーを地面から約5センチ浮いた状態で設置し、作業員が転倒するおそれがあったにもかかわらず、通行を禁止するなどの防止措置を講じなかったため、作業に当たっていた70代の男性がワイヤーにひっかかって転倒し、頸椎損傷の重傷を負ったといいます。

 

転倒災害防止の必要性

転倒防止措置の不実施での送検はめずらしいですが、いつ同様の送検事案が生じても不思議はありません。そもそも転倒災害は、休業4日以上の死傷災害で最も件数の多い災害で、例年、全労働災害の約20%を占めています。加齢により身体強度や運動機能が低下する高年齢労働者の増加に伴って、目立って死傷者数が増加している災害でもあります。転倒が重大な事故につながることのないよう、各職場で転倒防止措置を講じ、対策を徹底することが必要です。

 

転倒災害防止対策のポイント

厚生労働省と労働災害防止団体は、転倒災害を減少させるため、「STOP! 転倒災害プロジェクト」を推進しています。次のような観点から転倒防止措置を講じることが推奨されていますので、これを参考に、改めて職場の状況、作業の仕方を見直してみましょう。

【設備管理面の対策】

歩行場所に物を放置しない/床面の汚れ(水・油・粉等)を取り除く/床面の凸凹、段差等の解消

【転倒しにくい作業方法】

時間に余裕を持って行動/滑りやすい場所では小さな歩幅で歩行/足元が見えにくい状態で作業しない

【その他の対策】

作業に適した靴の着用/職場の危険マップの作成による危険情報の共有/転倒危険場所にステッカー等で注意喚起/体操による筋力維持・アップ

求人不受理の対象が追加されます!                                                         R2 年 4 月

今月3月30日から施行

原則、ハローワークや職業紹介事業者は、すべての求人を受理しなければなりませんが、①内容が法令に違反する求人、②労働条件が通常の労働条件と比べて著しく不適当な求人、③求人者が労働条件を明示しない求人のいずれかに該当する求人については、例外的に受理しないことができます。

今回、改正によって、④一定の労働関係法令違反の求人者による求人、⑤暴力団員、法人で役員の中に暴力団員がいる者、暴力団員がその事業活動を支配する者による求人、についても受理しないことが可能になりました。

 

求人者に求められる自己申告

職業紹介事業者は、求人者に対して自己申告を求めることができます。ちなみに、「私どもは、この求人申込みの時点において、職業安定法に規定する求人不受理の対象に該当いたしません」と記載された自己申告書が厚生労働省から出されています(事業所名・所在地・代表者名、チェックシートへの記入が求められます)。

求人者が自己申告を行わなかった場合にも、求人を受理しないことができます。

また、求人者が事実に相違する自己申告を行った場合、都道府県労働局が勧告・公表などを行うことができます。

 

求人不受理の対象となる場合とは?

①労働基準法および最低賃金法に関する規定で、1年間に2回以上、同一の対象条項違反により是正指導を受けた場合や、②職業安定法、男女雇用機会均等法および育児・介護休業法に関する規定で、対象条項に違反し、法違反の是正を求める勧告に従わず、公表された場合⇒法違反の是正後6カ月経過するまで不受理となります。

 

 

就職氷河期世代に限定した求人がハローワーク以外でも可能に                         R2 年 4 月

ハローワーク以外での求人が可能に

厚生労働省は、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律施行規則の一部を改正する省令を施行し、2023(令和5)年3月31日までの3年間、就職氷河期世代(35歳以上55歳未満)の安定した雇用を促進するため、年齢層を制限した求人を可能とすることとしました。

また、この改正で同省は、これまで企業が就職氷河期世代に限定した求人を出すことをハローワークにのみ認めていましたが、ハローワークに同様の求人を出すことで、ホームページでの直接募集や求人広告、民間職業紹介事業者への求人申込みなど、さまざまな方法で併用することが可能となりました。

 

求人申込みの要件は?

就職氷河期世代に限定した求人を出す場合には、ハローワークへの求人申込みに加え、以下のいずれにもあてはまる人を雇用するという要件を満たす必要があります。

① 35歳以上55歳未満で、安定した職業に就いていない方

② 期限を決めない労働契約を締結することを目的とすること

③ 職業に就いた経験があることを求人の条件にしない場合に限る

①の「不安定な職業に就いていない方」とは、雇入れ日前1年間に正社員として雇用されていない者、かつ、雇入れ日前直近5年間に正社員としての雇用期間が通算1年以下の者や、概ね1年以上、臨時的・短期的な就業を繰り返す、あるいは臨時的・短期的な就業と失業状態を繰り返すなど不安定就労の期間が長い者、非正規雇用の就業経験が多い、あるいは就職後の就労期間が短い者など、安定した就労の経験が乏しい者(正規雇用の在職求職者は除く)であることをいいます。

②については、①の方に安定した雇用を促進することを目的としているためです。

③については、就職氷河期世代で無業の方の募集・採用のため、職業経験の有無を条件とすることは適当ではありません。したがって、「○○の経験者募集(優遇)」「○○の経験を有する者」といった求人条件を定めることはできません。

これらの要件を満たす求人であれば、応募資格を「年齢不問」とした上で、例えば、「就職氷河期世代で正社員雇用の機会に恵まれなかった方歓迎」などと併記することが可能となっています。

 

助成金を新設

政府が進める「就職氷河期世代支援プログラム」の施策の1つとして、特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用コース)が新設されました。この助成金は、特定求職者雇用開発助成金(安定雇用コース)を拡充したもので、対象労働者の支給要件が緩和されました。中小企業の場合1人当たり60万円が支給されます。

詳細については、以下をご確認ください。

【厚生労働省「特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用実現コース)」】

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158169_00001.html