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人事労務管理最新情報

変化の激しい時代、人事を取り巻く状況も、常に変わっていきます。労働基準法をはじめとする法令はもちろん、労働市場の動向や各種アンケート調査の結果など、経営の視点で人事に関する最新の情報をピックアップしてお届けします。

インターネット上で自社に対する誹謗中傷の書込みを見つけたら?                         R8年6月           

違法・有害情報に関する相談は高止まり傾向

 総務省がまとめたインターネット上の違法・有害情報に関する報告書によると、違法・有害情報相談センターに寄せられた令和6年度の相談件数は6,403件で、令和5年度の6,463件に引き続き高止まり傾向にあります。

 相談者の属性は「個人」85.2%、「個人事業主」8.2%、「企業・団体」5.7%と、個人の割合が圧倒的に多くなっています。

 カスタマーハラスメント対策の観点から押さえておくべきこと

 一方で、今年10月から企業にはカスタマーハラスメント対策を講じることが義務とされます。

厚生労働省の『カスタマーハラスメント対策企業マニュアル』では、「SNS/インターネット上での誹謗中傷型」のハラスメント行為への対応例として、ホームページ等の運営者への削除請求や発信者情報の開示請求を挙げていることから、自社が誹謗中傷の被害にあったりプライバシーを侵害するような情報が掲載されたりした場合に備えて、方法を確認しておくとよいでしょう。

 法務省が手引きを公表

 法務省が4月15日に公表した『インターネット上の誹謗中傷書き込み削除依頼の手引き』には、GoogleLINEヤフー、InstagramFacebook などを運営するMetaといった主なプロバイダ、サーバの管理・運営者ごとに、自ら削除依頼を行う場合の手順が掲載されています。「削除依頼フォーム」のどの項目をクリックするのか、どの選択項目にチェックを入れるのかなどが解説されており、削除依頼のメールテンプレートも掲載されています。

ダウンロード等して保存しておくとよいでしょう。

 【参考】

「インターネット上の誹謗中傷書き込み削除依頼の手引き」

https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken88.html

 

「育成就労制度運用要領」が一部改正されています(出入国在留管理庁)                 R8年6月

◆育成就労制度

 外国人の就労について、技能移転による国際貢献を目的とする技能実習制度に代わり、人手不足分野における人材の育成・確保を目的とする育成就労制度が、令和9年4月1日から始まります。

 それに伴い、出入国在留管理庁のサイトには、制度の概要や関係法令、FAQ、解説動画や運用要領等の情報が掲載されています。

 外国人雇用をめぐるルール

 日本における外国人の働き方には複数の制度があり、法令のみでルールづくりを行うことは困難です。また、法令の改正を待たずに適宜見直しを行えるようにする必要もあります。

そのため、育成就労制度については、制度運用に関する基本的事項などを定める基本方針、受入れ業種・職種ごとの運用に関する重要事項などを定める分野別運用方針とともに、必要な手続きなどを定める運用要領も整備されています。

 運用要領の一部改正

 令和8年2月20日に公表された運用要領について、4月6日にその一部更新が行われました。「第4章 育成就労計画の認定等」と「第5章 監理支援機関の許可等」に改正があり、参考様式の一部も改正されています。

育成就労計画の認定申請および監理支援機関の許可申請については、施行日前申請が可能で、外国人技能実習機構ホームページには様式記載例などの情報が掲載されています。

 頻繁に情報の更新や追加が行われているので、外国人を雇用している、もしくはこれから雇用を予定している企業等においては、こまめに最新情報を確認しておくとよいでしょう。

 【参考】

育成就労制度(出入国管理庁)

https://www.moj.go.jp/isa/applications/index_00005.html

 運用要領(出入国管理庁)

https://www.moj.go.jp/isa/applications/nyuukokukanri07_00002.html

育成就労制度(外国人技能実習機構)

https://www.otit.go.jp/news/index.html

人事部門のAI活用~経団連「HR部門におけるAI等の活用に関する報告書」より       
R8年6月

 

◆人事部門でも進むAIの活用

現在、AIの普及が急速に進んでいます。企業においても、従業員が業務上AIを利用する場面が増えているでしょう。

この動きは、企業の人事部門(①採用、②人材配置、③人材育成、④労務管理)においても例外ではありません。大企業を中心とした例になりますが、日本経済団体連合会(経団連)より、HR部門においてAI等を活用している企業やシステム開発事業者へのヒアリングを実施(回答企業75社)した報告書が公表されています。

◆どのような場面で使われているのか

同報告書によれば、HR部門での活用状況をみると、「採用」(25社)が一番多く、その具体的内容としては「応募者スクリーニング」(15社)を挙げる企業が多くなっています。次いで多い「労務管理」(22社)の具体的内容では「労務相談の一次対応」(19社)が多く、さらに「人材育成」(20社)では、「面談サポート」(14社)が多い結果となっています。

 ◆企業によるガバナンス体制の構築が必要

同報告書ではHR部門におけるAI等の活用の大前提として、「HR部門でのAI活用はあくまで人間の意思決定のサポート機能として活用することが肝要」とされ、求められる対応として、「適切に対応するためのガバナンス体制の構築が必要」とされています。

労働力不足の中、今後一層、業務におけるAI利用が進むと予想されます。様々なリスクに対応するためにも、企業が主導しての社内AI利用体制の整備が必要になってくるでしょう。

 【参考】

日本経済団体連合会「HR部門におけるAI等の活用に関する報告書

https://www.keidanren.or.jp/policy/2026/016.html

 

令和8年7月から障害者の法定雇用率が引き上げられます
                      R8年6月

具体的な内容

令和8年7月から、民間企業における障害者の法定雇用率が現行の2.5%から2.7%へ引き上げられます。障害者を雇用しなければならない対象事業主の範囲も、現行の常時雇用労働者数40.0人以上から37.5人以上へと拡大されます。

法定雇用率を満たすかは、毎年6月1日時点の障害者雇用状況報告をもとに確認されます。つまり、令和8年6月1日時点の報告は現行の法定雇用率に基づき確認されますが、令和9年6月1日の報告では引上げ後の法定雇用率に基づき確認されるため、新たに対象となる企業では、約1年後の報告を見据えた対応が求められます。

 企業に対する支援策

支援制度としては、高齢・障害・求職者雇用支援機構JEEDの障害者雇用納付金関係助成金が代表的です。

本助成金は、障害者の新規雇入れや雇用継続を行う上で施設・設備の整備等や適切な雇用管理を図るための特別な措置を行わなければ困難であると認められる場合に支給され、次の8種類があります。

 障害者作業施設設置等助成金/障害者福祉施設設置等助成金/重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金/障害者介助等助成金/職場適応援助者助成金/重度障害者等通勤対策助成金/障害者雇用相談援助助成金/障害者能力開発助成金

 要件や手続きなどの詳細はパンフレット「障害者雇用納付金関係助成金のごあんない」もしくは助成金別の案内パンフレットをご覧ください。

法改正への対応とあわせ、無理のないかたちで障害者雇用を進めるためにも、早めの情報収集と準備を心掛けましょう。

 【参考】

障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/content/001064502.pdf

助成金JEED

https://www.jeed.go.jp/disability/subsidy/index.html

「治療と仕事の両立」が事業牛の努力義務となっています                         R8年6月    

労働施策総合推進法の改正により、2026年4月から治療と仕事の両立支援が事業主の努力義務となりました。「治療と就業の両立支援指針」では、両立支援を行うにあたっての留意事項や環境整備等がまとめられています。

 留意事項

指針で掲げる9つのうち、リーフレットでは次の3つを取り上げています。

① 労働者本人の申出

申出が行われやすい環境の整備(ルールの作成・周知、研修による意識啓発、相談窓口の整備、情報の取扱方法の明確化等)

② 労働者との十分な話合い、上司・同僚の理解

労働者に対する措置等の検討にあたり、事業主が一方的に判断しないよう、必要な取組み

・就業継続の希望や配慮の要望を聴取し、話合い等を通じて労働者本人の了解を得られるよう努める

・安易に就業を禁止せず、主治医や産業医等の意見を勘案して、可能な限り配置転換、時短措置などを講じて就業の機会を失わせないよう留意する

・ 疾病や治療に対する誤解や偏見等が生じないよう、事業主、人事労務担当者、上司・同僚等において必要な配慮を行う

③ 個人情報の保護 

個人情報の保護も含めた事業場における治療と就業の両立支援のルールおよび体制の整備・明確化 

 環境整備

 指針では、次の5つを掲げています。

① 事業主による基本方針の表明等と労働者への周知

② 研修等による意識啓発

③ 相談窓口等の明確化

④ 治療と就業の両立支援に関する制度、体制等の整備

⑤ 事業場内外の連携

 高年齢労働者やがん患者など、治療を続けながら働く人は増加しています。労働者の安心感や人材の定着などに繋げるためにも、措置を講じるようにしましょう。

 【参考】

治療と就業の両立について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000115267.html

早めの熱中症対策で酷暑日に備えましょう  
                   R8年6月           

 

気象庁は4月17日、最高気温40℃以上の日の名称を「酷暑日」に決定すると公表しました。

近年、夏に40℃を超える気温が観測されることが珍しくなくなりました。厚生労働省の「職場における熱中症防止のためのガイドライン」には、計画的に暑熱順化期間を設ける必要性が明記されており、早くから対策を始めることが重要です。

 暑熱順化プログラム

暑さが本格化する前に、計画的に暑熱順化期間を設けて徐々に熱に慣らし暑熱環境に適応させることにより、熱中症リスクを大きく軽減できます。

暑熱順化の方法としては、7日以上かけて暑熱環境での身体的負荷を増やす、作業時間を調整して次第に長くする、などが挙げられます。

暑熱順化は休暇等のため熱へのばく露が中断すると喪失が始まるため、以下の場合は、作業従事者が暑熱順化していないことに、特に留意する必要があります。

① 気温等が急に上昇した高温多湿作業場所で作業を行う場合

② 新規入職者などが新たに当該作業を行う場合

③ 作業従事者が長期間、当該作業場所での作業から離れ、その後再び当該作業を行う場合 等

  昨年より職場の熱中症対策が義務化され、今年はその対象がスポットワーカーなどにも拡大されました。加えて、熱中症の重篤化による死亡災害の防止だけでなく、予防策により発生そのものを抑えることが、夏場の労働災害防止に繋がるとして、ガイドラインは策定されています。

上記暑熱順化プログラムや、労働者の年齢・基礎疾患等を踏まえた作業時間の短縮など、社内ルールから見直すことが肝心です。

 【参考】

「職場における熱中症防止対策に係る検討会」の報告書等を公表します(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71721.html

令和8年度地方労働行政運営方針のポイント
                     R8年6月

地方労働行政運営方針とは、厚生労働省が労働行政における重点課題への対応方針をまとめたものです。今年度の企業向け施策の主なポイントは、以下です。

賃上げに向けた支援・非正規労働者の処遇改善等に関する支援

賃上げに取り組む企業への支援として、賃上げ支援助成金パッケージの周知や価格転嫁・取引適正化の徹底を図ります。

非正規労働者の処遇改善等に取り組む事業主を支援するキャリアアップ助成金の各コースの周知等を実施します。

労働移動の円滑化

賃金上昇を伴う中途採用者の雇用拡大を図る事業主への支援として、早期再就職支援等助成金(中途採用拡大コース)の周知等に取り組みます。

人手不足対策

全ハローワークで医療・介護・保育分野の事業所へのアウトリーチによる求人充足支援に取り組み、雇用管理指導援助も含めた支援を実施します。

多様な人材の活躍促進

70歳までの就業機会確保等に向けた環境整備や高齢者の処遇改善を行う企業への支援として、65歳超雇用推進助成金の周知等に取り組みます。

女性活躍推進・ハラスメント対策

4月から義務化された男女間賃金差異・女性管理職比率の情報公表の周知等に取り組みます。

ハラスメント防止措置を講じていない事業主への厳正な指導の実施等により、法の履行確保を図ります。

仕事と育児・介護の両立支援等

両立支援等助成金の活用を推進し、仕事と育児・介護の両立ができる職場環境整備を図ります。

安全で健康に働くことができる環境づくり

 長時間労働の抑制や、労働者が安全で健康に働くことができる環境の整備等に取り組みます。

【参考】

令和8年度地方労働行政運営方針について

https://www.mhlw.go.jp/content/10401000/001689499.pdf

「社会保険適用拡大特設サイト」がリニューアルされました                  R8年6月

 

厚生労働省は4月1日、社会保険(厚生年金保険・健康保険)の適用拡大について情報提供を行う「社会保険適用拡大特設サイト」をリニューアルしました。令和7年年金制度改正の内容を反映したもので、リニューアルしたサイトを活用し、制度への理解促進を一層図っていくとしています。

スケジュール

社会保険の適用拡大は段階的に設定されており、対象企業は従業員数に応じて次のように拡大していきます。

51人以上:適用済み

3650人:令和9年10月施行

2135人:令和1110月施行

1120人:令和1410月施行

10人以下:令和1710月施行

また、従業員に関する要件は、令和8年10月以降「所定内賃金が月額8.8万円以上」という要件が撤廃され、「週所定労働時間20時間以上」で「学生でない」パート・アルバイト等の短時間労働者は、加入対象となります。

実務担当者および従業員向けの広報資料を刷新

対象別のニーズに合わせたコンテンツが大幅に改修されました。

・事業主・人事労務担当者向け

社内準備を支援する「社会保険適用拡大ガイドブック」や「社会保険適用拡大のこんなとき!どうする?手引き」、最新の周知用チラシなどが掲載されています。

・従業員向け

加入メリットを解説するチラシや「社会保険加入を考える3ステップ」、QA集が用意されています。また、将来の年金額を試算できる「公的年金シミュレーター」も利用可能です。

・社会保険適用拡大に関する解説動画

制度の趣旨を迅速に理解できるよう、ショート動画や5分動画が新たに整備されました。

【参考】

社会保険適用拡大特設サイト

https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/

 「社会保険適用拡大特設サイト」をリニューアル

https://www.mhlw.go.jp/stf/tekiyoukakudai_00005.html