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人事労務管理最新情報

変化の激しい時代、人事を取り巻く状況も、常に変わっていきます。労働基準法をはじめとする法令はもちろん、労働市場の動向や各種アンケート調査の結果など、経営の視点で人事に関する最新の情報をピックアップしてお届けします。

「Gビズポータル(事業者ポータル)」のリリース準備が進められています           R7年10月           

「Gビズポータル(事業者ポータル)」とは?

 事業者負担を軽減するため、政府は行政手続きの完全デジタル化を進めていますが、現状ではe-Gov電子申請や雇用関係助成金の「助成金ポータル」、労働保険の電子申請特設サイトなど様々なシステムがあります。

 こうしたシステムの総合窓口として、「Gビズポータル(事業者ポータル)」のリリース準備が進められています。

 

どんな機能が提供される?

 デジタル庁の資料によれば、GビズポータルにはGビズIDを使ってログインした後、連携先の各電子申請システムに繋がって手続きを進められるようにするとされています。

 さらに、クラウド上でファイルの閲覧ややり取りができる「電子ロッカー機能」が提供され、手続きを代行する社会保険労務士等の士業者に渡す書類のやり取りが、紙の書類やメールの添付ファイルによらずに安心してできるようになるとされています。

 

リリース予定はいつ?

2026年2月頃には基本機能を備えたアルファ版がリリースされ、機能改善などを行いながら2026年9月に改善版、2027年3月にベータ版をリリース予定とされています。

 

GビズIDも機能拡充予定

 利便性アップのため、2025年度中にGビズIDの機能拡充が行われる予定です。士業者に手続きを委任する場合、現状では事業者から委任を開始しなければなりませんが、士業者からでもできるようにし、担当者は自ら委任をしなくても済むようになります。

 また、委任範囲を細かく設定できるようになり、手続きごとの設定もできるようになる予定です。

【デジタル庁「事業者のデジタル化等に係る関係省庁等連絡会議(第8回)」】

https://www.digital.go.jp/councils/private-business-dx/578b4dd0-db54-44da-9850-d76a6248c27f

 

厚生労働省の令和8年度税制改正要望が公表されました                            R7年10月

厚労省の令和8年度税制改正要望の背景

 令和8年度の要望では、医療・介護・年金・雇用・生活衛生分野に関する税制優遇措置の延長・拡充が出されています。中でも、企業年金の税制見直し、生命保険料控除所得控除限度額の上乗せ、設備投資支援、事業承継税制の延長、研究開発費の控除強化などは、企業の実務に影響してくるので注視する必要があります。

 

企業実務に関係する税制改正要望(抜粋)

1 年 金

【企業年金積立金に対する特別法人税の撤廃または課税停止延長】

  企業年金制度の普及・安定運営を支援する。

2 雇 用

【財形住宅貯蓄制度の対象住宅要件の見直し】

  住宅ローン控除要件の見直しと整合性を図る。

3 生活衛生

【少額減価償却資産の即時償却特例の延長】

中小企業が取得した30万円未満の資産を、年間300万円まで即時償却できる制度を延長する。

【再編・統合に伴う税負担の軽減措置の延長】

事業の再編・統合の際に承継した不動産に係る不動産所得税の軽減措置を延長する。

【事業承継税制の特例承継計画の期限延長】

承継計画の提出期限を一定期間延長するとともに、円滑な承継を促す。

4 その他

【生命保険料控除制度の拡充の恒久化】

23歳未満の扶養親族がいる従業員に対して控除枠を拡大する。

 

 以上、他省庁との共同要望も多いため、改正の可能性が高いと考えられます。今後の動きに注意しましょう。

【厚生労働省「令和8年度厚生労働省の税制改正要望事項」】

https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/001548216.pdf

 

 

日本年金機構から公表された19歳以上23歳未満の被扶養者認定要件変更の案内とQ&A     R7年10月

被扶養者認定における年間収入要件の変更

令和7年度税制改正において、19歳以上23歳未満の親族等を扶養する場合における特定扶養控除の要件の見直し等が行われました。これを踏まえ、扶養認定を受ける者(被保険者の配偶者を除く)が19歳以上23歳未満である場合の年間収入要件の取扱いが変わり、日本年金機構のホームページでは、変更内容の案内やQ&Aを公表しています。

 

19歳以上23歳未満の年間収入要件が「150万円未満」に

扶養認定日が令和7年10月1日以降で、扶養認定を受ける者が19歳以上23歳未満の場合は、現行の要件である「年間収入130万円未満」が「年間収入150万円未満」に変更になります。「年間収入要件」以外の要件に変更はありません。

年齢要件(19歳以上23歳未満)は、扶養認定日が属する年の1231日時点の年齢で判定されます。

 

Q&A

日本年金機構のQ&Aでは、以下のようなことが示されています。

・あくまで年齢によって判断され、学生であることの要件は求めない。

・年間収入が150万円未満かどうかの判定は、従来と同様の年間収入の考え方により判定される。具体的には、認定対象者の過去の収入、現時点の収入または将来の収入の見込みなどから、今後1年間の収入を見込むこととなる。

・令和7年10月1日以降の届出で、令和7年10月1日より前の期間について認定する場合、19歳以上23歳未満の被扶養者にかかる年間収入の要件は130万円未満で判定する。

 

 同内容は従業員への周知も必要になりますので、よく確認しておきましょう。

【日本年金機構「19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件が変わります」】

https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2025/202508/0819.html

 

 

国税庁が「年末調整のしかた」を公表しました                         R7年10月

国税庁より「令和7年分 年末調整のしかた」(全64ページ、以下「パンフレット」という。)が公表されました。今年の年末調整には複数の変更点があります。企業においては早めの確認と実務への備えが大切です。パンフレットでは、「昨年と比べて変わった点」として、以下の3つが挙げられています。

 

年末調整のしかた~改正項目

1 所得税の基礎控除の見直し等

(1) 基礎控除の見直し:合計所得金額に応じて基礎控除額が58万円~95万円に

(2) 給与所得控除の見直し:最低保障額が65万円に

(3) 特定親族特別控除の創設:所得者と生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族で合計所得金額が58万円超123万円以下の「特定親族」がいる場合、合計所得金額に応じて3万円~63万円を控除

(4) 扶養親族等の所得要件の改正:同一生計配偶者・扶養親族の合計所得金額の要件が58万円以下に

2 年末残高調書を用いた方式(調書方式)による住宅借入金等特別控除

3 令和8年分以後の給与の源泉徴収事務における留意事項

※上記のほか、パンフレットの表紙には「通勤手当に係る非課税限度額の改正が行われる場合には、年末調整での対応が必要となることがあります」との注意書きもあり。

 

誤りのない年末調整のためには、制度への従業員の理解が不可欠です。そのためにも、今回公表されたパンフレットや10月に公開予定の「年末調整がよくわかるページ」(国税庁)を確認し、改正点の周知に努めましょう。

【国税庁「令和7年分 年末調整のしかた」】

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2025/pdf/nencho_all.pdf

 

 

出生後休業支援給付および育児時短就業給付の利用状況について                   R7年10月    

厚生労働省から「雇用保険制度の主要指標」が公開され、雇用保険法の改正により令和7年4月から新設された出生後休業支援給付および育児時短就業給付の受給者数と支給金額が明らかとなりました。

 

出生後休業支援給付金とは

共働き・共育てを推進するため、子の出生直後の一定期間に、両親ともに(配偶者が就労していない場合などは本人が)14日以上の育児休業を取得した場合に、最大28日間支給します。

支給額は、原則として休業開始時賃金日額の13%相当額を、休業期間の日数分(28日が上限)です。育休中は健康保険料・厚生年金保険料が免除され、育児休業給付金は非課税のため、出生時育児休業給付金または育児休業給付金で支給される休業開始時賃金日額の67%と併せて手取り10割相当の給付となります。

育児時短就業給付金とは

仕事と育児の両立支援の観点から、育児中の柔軟な働き方として時短勤務制度を選択しやすくすることを目的に、2歳に満たない子を養育するために時短勤務(以下「育児時短就業」といいます。)した場合に、育児時短就業前と比較して賃金が低下するなどの要件を満たすときに支給する給付金です。

支給額は、原則として育児時短就業中の各月に支払われた賃金額の10%相当額です。

出生後休業支援給付の受給者数と支給金額

・4月:125人/2,941,000

・5月:3,842人/129,876,000

・6月:11,379人/411,681,000

育児時短就業給付の受給者数と支給金額

・4月:--

・5月:840人/11,144,000

・6月:14,369人/292,963,000

※育児時短就業給付については、初回の支給申請が令和7年5月以降に行われるため、令和7年4月の支給実績はありません。

 

申請する可能性がある場合に備え、制度の理解や書類の整備を進めておきましょう。

【厚生労働省「2025年4月から「出生後休業支援給付金」を創設しました」】

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001372778.pdf

【厚生労働省「2025年4月から「育児時短就業給付金」を創設しました」】

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001394846.pdf

【厚生労働省「雇用保険制度の主要指標」】

https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001542938.pdf

 電子申請義務化の『その先』を考える   R7年10月           

義務化対応から始める人事労務DXの第一歩

20251月から、一定規模以上の事業所について労働安全衛生法関係書類の電子申請が義務化されましたが、対応状況はいかがですか? 「とりあえず義務に対応すれば良い」という考えでは、大きなチャンスを逃しています。

電子申請は、人事労務業務全体をデジタル化する絶好の機会です。これまで紙ベースで管理していた従業員情報、勤怠データ、各種申請書類を統合的にデジタル化することで、業務効率は大幅に向上します。

その恩恵は、特に多忙を極める中間管理職層にとって、とても大きいはずです。よくわからないからといって後回しにしては、企業経営にとってマイナスにしかなりません。

 

データ活用で実現する戦略的人材マネジメント

電子化の真の価値は、蓄積されたデータの活用にあります。勤怠パターン、休暇取得状況、各種申請の傾向等の分析によって、これまで見えなかった課題が明らかになります。

例えば、特定の部署で残業が集中している原因を数値で把握できれば、人員配置の最適化や業務フローの改善につなげられます。

さらに、データを基に、従業員一人ひとりの成長支援プランを策定したり、組織全体の生産性向上施策を立案したりすることができます。

DXは「手段」であり「目的」ではありません。重要なのは、デジタル化によって得られた時間とデータを、いかに組織の成長に活用するかです。義務化を機に、人事労務業務の在り方を根本的に見直してみてはいかがでしょうか。

ただし、個人情報保護法への対応やシステム選定など、専門的な知識が必要な部分は専門家のアドバイスを受けながら進めることをお勧めします。

 

 人事労務のDX化のご検討にあたっては、ぜひ当事務所にご相談ください。

 

 

全都道府県で初の時給1,000円超 地域別最低賃金の答申が出揃う                     R7年10月

厚生労働省から、都道府県労働局に設置されている地方最低賃金審議会が答申した令和7年度の地域別最低賃金の改定額(以下「改定額」)が公表されました。

これは、令和7年8月4日に厚生労働大臣の諮問機関である中央最低賃金審議会が示した「令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について」などを参考として、各地方最低賃金審議会が調査・審議して答申した結果を取りまとめたものです。

 

令和7年度 地方最低賃金審議会の答申のポイント

47都道府県で、63円~82円の引上げ(引上げ額が82円は1県、81円は1県、80円は1県、79円は1県、78円は3県、77円は2県、76円は1県、74円は1県、73円は2県、71円は4県、70円は1県、69円は2県、66円は2県、65円は8道県、64円は9府県、63円は8都府県)

・改定額の全国加重平均額は1,121円(昨年度1,055円)

・全国加重平均額66円の引上げは、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額

・最高額(1,226円)に対する最低額(1,023円)の比率は83.4%(昨年度は81.8%。なお、この比率は11年連続の改善)

 

今年度の最低賃金は、すべての都道府県で初めて1,000円を超えました。

答申された改定額は、令和7年10月1日から令和8年3月31日までの間に順次発効される予定です。なお、例年は大半が10月発効でしたが、2025年度は20都道府県にとどまります。11月が13府県、12月が8県で、福島、徳島、熊本、大分は2026年1月、群馬と秋田は同3月に発効します。

【厚生労働省「全ての都道府県で地域別最低賃金の答申がなされました」】

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63030.html

 

10月は「年次有給休暇取得促進期間」です                       R7年10月           

厚生労働省は、毎年10月を「年次有給休暇取得促進期間」と位置づけ、労働者の年次有給休暇取得を促進するための広報・啓発活動を展開しています。

年次有給休暇は働く人の心身の健康保持や生活の質の向上にとって重要な制度であり、働き方改革を推進するうえでも欠かせないものです。取得率は約65%にとどまっており、政府は2028年度までに70%の達成を目指しています。企業においては、促進期間を一つの機会として、取得率向上に向けた取組みが求められます。

 

年次有給休暇の年5日取得義務の確実な履行

労働基準法の改正により、2019年4月から使用者は年次有給休暇が10日以上付与される労働者に対し、5日の年次有給休暇を取得させる義務を負っています(労働基準法第39条第7項)。

この義務は、雇用形態にかかわらず該当するすべての労働者が対象です。取得義務を果たしていない場合には、30万円以下の罰金が科されることもあるため、法令を遵守した確実な管理が求められます。

年次有給休暇の取得促進には、計画的な業務運営や休暇の分散化に役立つ「年休の計画的付与制度」や、働く人の事情に応じた柔軟な休み方を可能にする「時間単位年休」の活用も考えられます。

 

取得しやすい職場環境の整備を進める

取得を促進するためには、計画的付与制度の活用や繁忙期を避けた時期の調整、管理職への周知などが有効です。また、業務の割振りや職場内の雰囲気づくりといった面からも、取得しやすい環境を整備していく必要があります。

こうした取組みは、働く人の健康維持にとどまらず、モチベーションの向上や職場の定着率の改善にもつながるものと考えられます。

企業は、制度の趣旨を踏まえ、年次有給休暇の取得が円滑に進むような体制づくりを進めることが求められます。

【厚生労働省「年次有給休暇取得促進特設サイト」】

https://work-holiday.mhlw.go.jp/kyuuka-sokushin/