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人事労務管理最新情報

変化の激しい時代、人事を取り巻く状況も、常に変わっていきます。労働基準法をはじめとする法令はもちろん、労働市場の動向や各種アンケート調査の結果など、経営の視点で人事に関する最新の情報をピックアップしてお届けします。

改正育児介護休業法の施行に向けて、準備を始めましょう                                      R3年12月           

大きく変わる育児休業制度

来年4月1日から改正育児介護休業法が施行され、「パパ育休」が新設されるほか、労働者に対する会社の育児休業制度に関する情報提供、育児休業を取得するか否かの意向確認が必要になったり、育児休業の分割取得ができるようになったりします。

当然、育児介護休業規程の見直しや制度利用に関する社内書式の整備が必要となりますが、それだけではありません。

 

労使協定の締結も必要

現在は雇用期間によっては育児休業が取得対象外となっているパートタイマー等について、改正により取得要件が緩和されます。そのため、引き続き雇用された期間が1年未満の人を取得対象とするか否か、労使協定を締結して決定する必要があります。

 

会社の制度を周知する資料の作成等も必要

 上記のとおり、改正法施行後は、労働者本人またはその配偶者から妊娠・出産等の申出があった場合、制度に関する情報提供や育児休業取得に関する意向確認が事業主の義務とされます。情報提供は、規程を渡すだけでは不十分で、育児休業の申出先や育児休業給付、休業期間中の社会保険料の取扱いに関する情報の提供も必要です。

 資料が既に用意されている場合は、所定の要件を満たしているかをチェックすれば済みますが、新たに作成する場合は、会社がどのような制度を設けているのか、明文化されていないものの見落としはないかなど、確認して作成する必要もあります。

 

厚生労働省が規定例等を公開

11月5日、厚生労働省より今回の改正に対応した規定例や書式例が示されました。これらを参考に、自社に合った内容にカスタマイズしながら余裕を持って準備を進めましょう。

【厚生労働省「育児・介護休業法について」】

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html

 

 

 

ジョブ型雇用と働き方への意識~マイナビ転職調査                                      R3年12月

総合転職情報サイト「マイナビ転職」は、正規雇用者男女700名を対象に、近年日本企業でも導入されつつある雇用制度「ジョブ型雇用」について、イメージやメリット・デメリット、希望する働き方などを調査しました。

 

ジョブ型かメンバーシップ型、どちらを望む?

まず初めに、ジョブ型とメンバーシップ型どちらの雇用形態がいいか聞きました。ジョブ型を望む人は全体の24.6%。メンバーシップ型(32.1%)の意向がジョブ型をやや上回る結果となりました。

年代別で見ると、20代はほかの年代よりもジョブ型の意向がやや高く、唯一3割を超えています。

 

ジョブ型のイメージは「専門性を生かせそう」「柔軟な働き方ができそう」

ジョブ型雇用のイメージを聞いたところ、最も回答が多かったのは「イメージができない」(31.1)。まだまだ新しい雇用形態として、イメージできない人が一定数いるようです。2位と3位には、「専門性を生かせそう」(21.4)、「能力主義・成果主義に偏りそう」(20.6)が続きます。

ほかには「評価が厳しくなりそう」「柔軟な働き方ができそう」などが上位にランクインし、ポジティブなイメージもネガティブなイメージも同程度持たれている様子です。

 

ジョブ型になっても給料は「変わらないと思う」が約半数

続いて、もしジョブ型雇用になったら自分の給料は上がると思うかを聞いたところ、「変わらないと思う」の回答が49.1%。「上がると思う」が16.1%、「下がると思う」が13.3%と「上がると思う」がわずかに上回る結果になりました。

年代別で見ると、いずれの年代も「変わらないと思う」が5割前後を占めており、ジョブ型による給料アップの期待値は低いことがうかがえます。

【マイナビ転職「ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用どちらを望む? それぞれの制度のメリット・デメリット」】

https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/careertrend/08

新入社員の離職率とコロナ後の人材確保                                   R3年 12月

就職後3年以内の離職率は新規高卒者で約4割、新規大卒者で約3割

昨年初めからのコロナ禍により、採用活動についても例年と異なる方針をとってきた企業も多いところですが、長期的には人手不足が叫ばれるなか、新入社員の離職率については現在どのような状況なのでしょうか。

厚生労働省が公表した「新規学卒就職者の離職状況」によれば、令和2年度における新規学卒就職者の離職率は、学歴別、卒業年別とも、例年に比べて低下し、新規学卒就職者(平成30年3月卒業者)の就職後3年以内の離職率は新規高卒就職者で約4割(36.9%)、新規大卒就職者で約3割(31.2%)となっているそうです。

 離職率の高い業界としては、宿泊業・飲食サービス業(高卒61.1%、大卒51.5%)、生活関連サービス業・娯楽業 (高卒56.9%、大卒46.5%)、教育・学習支援業(高卒50.1%、大卒45.6%)、小売業(高卒47.8%、大卒37.4%)、医療、福祉(高卒46.2%、大卒38.6%)が挙げられています。

 

特に中小企業では離職率の低下に配慮が必要

同調査では、事業所規模が小さくなるほど離職率が高くなることも示されており、30人未満規模の事業所の離職率は、1,000人以上規模の事業所の離職率と比べて2倍ものひらきがあります。特に多くの中小企業においては、採用活動における人手確保の困難さを踏まえると、離職率の低下は重要なテーマといえます。

 

オンライン化の進行と採用活動の見直し

コロナ禍ではオンライン面接、WEBセミナーなど、採用活動のオンライン化も急速に進みました。これからは、今の時代に対応した採用活動の見直しも含めて、人材確保への長期的な視点での対策が必要になっていくでしょう。

【厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況を公表します」】

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00004.html

 

公的機関を装った不審電話にご注意を!                                                                           R3 年 12月

厚生労働省を名乗る不審電話

 厚労省を名乗る者から民間事業主に対し、「パワハラなどハラスメント防止の推進企業の認定制度がある。来社して説明させてほしい」と電話が入る事案が発生し、厚労省が注意喚起を行っています。現在、ハラスメント防止に関する厚労省の認定制度はありませんし、厚労省や都道府県労働局の職員がこのような電話をすることもありません。

 公的機関を名乗られると、「きちんと対応しなければ」と応じてしまう方もいるでしょう。しかし、相手が不審者であった場合には、個人情報を流出させてしまったり、悪質な営業活動や詐欺に巻き込まれてしまったりするような事態にもなりかねません。

 

どのような不審電話・メールがある?

 ほかにも、厚労省の職員を名乗る者から、次のような内容での不審電話・メールがあったとの報告がされています。

・「雇用動向調査に協力しなければ、罰金を支払ってもらう」

・「調査のため家族構成、年収、資産、年金額等を教えてほしい」

・「戦争で亡くなった方の年金で払いすぎた分がある。直接訪問するのでその際に返してほしい」

・「医療費控除の還付金がある。振り込むので、銀行/郵便局のATMに行って電話をしてほしい」

・(年金機構を装うメールで)「個人電子年金情報の更新」等の件名で、任意のホームページに誘導し、個人情報を入力させようとする

 

たとえ公的機関を名乗られても、相手の言うままに応じるのではなく、まずは相手の名前や担当部門などを問い、少しでも不審に感じた場合には一度電話を切りましょう。正式な連絡であるか、関係機関に照会することで被害を防ぐことができます。

【厚生労働省「厚生労働省職員や機関を装った不審な電話・メールにご注意ください。」】

https://www.mhlw.go.jp/kinkyu/0713-1.html

 

 副業を認めますか?                         R3 年 12月

副業等を認める方向にはあるようですが…

 アデコ株式会社が実施した「副業・複業に関するアンケート調査」によると、

・「副業・複業」を認める企業は約4割以上(2018年より15ポイントアップ)。一方、半数以上はいまだに「副業・複業」を認めず。

・現在、「副業・複業」禁止の企業で、将来的に認めることを検討しているのは2割以下。

・副業・複業を行っている人の雇用について「受け入れている」企業は3割以下、「受け入れる予定がない」は半数以上。

という結果が出たそうです。

なお、この調査では副業を「本業の合間に行うサブ的な仕事」、複業を「複数の仕事をすべて本業として行うこと(兼業)」と定義しているそうですが、ここでは副業等とまとめて記します。

この調査は上場企業に勤務する部長職・課長職の方を対象としたものですので、その他の属性の方についても同じ傾向ではないと思われますが、だんだんと副業等を認める方向に向かってはいるようです。

 

それでも副業を認めますか

副業等に関しては、労働時間の把握(労働時間の自己申告制、通算ルール、厚生労働省の管理モデルによる管理など)、割増賃金支払い義務、健康管理など、気を付けなればならない点が多くあります。また、自社の社員が副業先で休業が必要な労災となってしまった場合、当然ながら自社の業務にも影響が出ます。こうしたことから、上記の調査にもあるように、上場企業でさえも副業等の受け入れには消極的な企業があるのでしょう。

副業等にまつわる課題を理解してなお、許可を検討する場合には、本業たる自社の業務に専念する義務があること、労働時間の報告義務なども含めて社員と誓約書を交わすこと、関連する就業規則などを整備することは必須でしょう。

副業等について、それが請負契約によるものは許可するという制度にすれば、多少はこうした課題も少なくなりますが、自社の魅力度アップのための効果は弱まるでしょうから、現状ではなかなか導入がむずかしい制度といえるかもしれません。副業等を認める制度を取り入れるとしても、慎重な検討が必要でしょう。

【アデコ「副業・複業に関するアンケート調査」】

https://www.adeccogroup.jp/pressroom/2021/1028

【厚生労働省「副業・兼業」】

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html

転職者の5割以上が現在の勤務先に満足~令和2年「転職者実態調査」                   R3 年12月

厚生労働省は11月8日、令和2年「転職者実態調査」の結果を公表しました。

「転職者実態調査」は、転職者の採用状況、就業意識等の実態を把握することを目的としています。今回の調査は、5人以上の常用労働者を雇用する事業所から約17,000事業所およびそこで働く転職者から約10,000人を無作為抽出し、令和2年10月1日現在の状況について実施したものです。

 

現在の勤め先に満足な転職者は、不満足な転職者を大幅に上回る

 転職者の現在の勤務先における満足度については、「満足」「やや満足」とした割合の合計は53.4%、「不満」「やや不満」の合計は11.4%で、その差で表す「満足度指数」は、「職業生活全体」で42.0ポイントとなっています。

また、「職業生活全体」を事業所規模別にみると、事業所規模が大きいほどポイントが高く、満足度項目ごとにみると、すべての項目で「満足」が「不満足」を上回っています。特に、「仕事内容・職種」が最も高く、60.5ポイントでした。

 

離職理由は「労働条件」、転職先を選んだ理由は「仕事内容・職種」

転職者が直前の勤め先を離職した主な理由は、「自己都合」が76.6%と最も高くなっています。そして「自己都合」による離職理由(3つまでの複数回答)は、「労働条件(賃金以外)がよくなかったから」が28.2%で最も高く、次いで「満足のいく仕事内容でなかったから」が26.0%、「賃金が低かったから」が23.8%となっています。

また、転職者が現在の勤め先を選んだ理由(3つまでの複数回答)は、「仕事の内容・職種に満足がいくから」が41.0%で最も高く、次いで「自分の技能・能力が活かせるから」が36.0%、「労働条件(賃金以外)がよいから」が26.0%となっています。

 

事業所による転職者の募集方法と、転職者による転職活動の方法

 転職者がいる事業所の転職者の募集方法(複数回答)は、「ハローワーク等の公的機関」とする事業所割合が最も高く57.3%で、次いで「求人サイト・求人情報専門誌、新聞、チラシ等」が43.2%、「縁故(知人、友人等)」が27.6%となっています。

 一方、転職者がどのような方法で転職活動を行ったか(複数回答)をみると、「求人サイト・求人情報専門誌・新聞・チラシ等」が39.4%と最も高く、次いで「ハローワーク等の公的機関」が34.3%、「縁故(知人、友人等)」が26.8%となっています。

【厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」】

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/6-18c-r02.html

 

企業が知っておきたい「Z世代」の特徴                           R3 年12月

Z世代とは?

Z世代とは、厳密な定義はありませんが、主に1990年代後半から2000年代前半(2021年現在の年齢は10代~20代前半)に生まれた世代のことを指します。なお、主に196070年代に生まれた人をX世代、198090年代に生まれた人をY世代(ミレニアル世代ともいう)と呼び、「Y」の次世代という点からZ世代という名称が付けられました。

 

Z世代の特徴

 Z世代は、子どもの頃からインターネットや各種デバイスが身近にあり、当たり前のようにそれらを利活用しているデジタルネイティブであることが最大の特徴です。そのため、ネットリテラシーが高く、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)、動画配信、AIなどの最新のテクノロジーに関心を持っていることも特徴です。

また、この世代の学生時代には、スマートフォンが普及し、SNSも一般的になりました。SNSをコミュニケーションツールとして使いこなし、情報収集や情報発信をすることからSNSネイティブ世代とも呼ばれています。

 さらに、Z世代の多くの人は、SNSを通じて性別、年齢、国籍に関わらず様々な人と交流し、意見交換を行っています。そこで様々な価値観に触れお互いの個性を尊重するため、多様性(ダイバーシティ)や個性を重視する傾向にあるようです。

 

Z世代が中心の社会に向けて

 Z世代という言葉が、今年の「現代用語の基礎知識選 ユーキャン新語・流行語大賞」の30語にノミネートされました。

 Z世代は、現在現役で働いているX世代、Y世代とは異なった価値観を持った世代であるため、彼らが今後社会に進出、活躍し消費を支える年齢層になったときの働き方や企業活動、マーケティング等への影響が注目されています。企業は、彼らの特徴を理解し受け入れる体制を準備することが必要です。