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人事労務管理最新情報

変化の激しい時代、人事を取り巻く状況も、常に変わっていきます。労働基準法をはじめとする法令はもちろん、労働市場の動向や各種アンケート調査の結果など、経営の視点で人事に関する最新の情報をピックアップしてお届けします。

経団連が新型コロナウイルス、就活への配慮を要請               R2 年 5 月

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、企業の説明会やイベントの中止、延期等が相次ぎ、学生の間に就職活動に対する不安が高まっています。先月はマイナビによる就活への影響についての学生の意識調査の結果をご紹介しましたが、政府からは3月13日、各経済団体やマスコミに対して、「新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた2020年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動及び2019年度卒業・修了予定等の内定者への特段の配慮に関する要請」が出されています。

これを受け、経団連と国公私立の大学トップで構成される「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」は3月31日、「新型コロナウイルス感染症に伴う2021年度入社対象者の採用選考への対応について」を公表しました。その概要は以下の通りです。

企業には柔軟な採用選考を要請

企業に対しては、「学生の不安を和らげ、幅広い情報と十分な採用機会を提供する観点から、現行の採用選考日程を基本としつつ弾力的な採用選考活動を実施する。具体的には、Web説明会など多様な通信手段を活用した企業説明の機会の創出、エントリーシートの提出期限の延長、オンライン面接の推進、年間を通じた複数回の選考機会の確保などに向けて最大限努力する。感染収束以降の採用関連イベントの追加開催等、学業を尊重しつつ各社の状況に応じて最大限柔軟な対応を行う。」としています。

※これを踏まえ、会員企業には4月6日、あらためて同様の内容を骨子とする「新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた採用選考活動に関するお願い」を出しています。

大学には学生への一層の情報提供とメンタル面での支援を要請

一方、大学側に対しては、「企業の柔軟かつ多様な広報・採用選考活動に関する適切な情報提供を行い、学生がいたずらに不安や焦りを感じることなく、自身の職業やキャリアについて落ち着いて考え、就職活動に臨むよう支援を強化する」ことを求めています。

学生には「柔軟な発想と変化への対応力」を求める

また、学生に対しては、「改めて、世界中で発生する様々な社会的課題の深刻化を認識し、これを解決するための柔軟な発想、変化への対応力、リーダーシップなどを身に付けるため、大学生活を通じて、学業と多様な経験を積むことを期待する。」としています。

 新型コロナウイルスの影響により、経済は世界恐慌以来という深刻な悪化が懸念されています。企業側もゆとりをもって採用活動に臨める状況ではなくなってきているとはいえ、大きな不安を抱えて就職活動に臨む学生に向けては、柔軟な配慮が求められるところです。

【経団連「新型コロナウイルス感染症に伴う2021年度入社対象者の採用選考への対応について」】

http://www.keidanren.or.jp/policy/2020/029.html

【経団連「緊急事態宣言の発令に伴う基本的対処方針の徹底のお願い」】

http://www.keidanren.or.jp/announce/2020/0409.html

【内閣官房「新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた2020年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動及び2019年度卒業・修了予定等の内定者への特段の配慮に関する要請について」】

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shushoku_katsudou_yousei/2020nendosotu/hairyo_yousei.html

 

新型コロナウイルスによる厚生年金保険料等の納付猶予制度                                  R2年5月

日本年金機構のホームページに、厚生年金保険料等の納付猶予について、次のとおりお知らせが出ています。

新型コロナウイルスの影響により、厚生年金保険料等を一時に納付することにより事業の継続等を困難にするおそれがあり、一定の要件に該当する場合、厚生年金保険料等を分割納付できる仕組みがあります。事業主の方は、納付すべき厚生年金保険料等の納期限から6月以内に「換価の猶予」の申請ができます。

また、災害等によって事業所の財産に相当な損害を受け、厚生年金保険料等の納付が困難となった場合は、事業主の方からの申請に基づき、保険料等の「納付の猶予」を受ける制度があります。

「換価の猶予」の概要

申請要件は、次のすべてに該当することです。

a 厚生年金保険料等を一時に納付することにより、事業の継続等を困難にするおそれがあること

b 厚生年金保険料等の納付について誠実な意思を有すること

c 納付すべき厚生年金保険料等の納期限から6か月以内に申請されていること

d 換価の猶予を受けようとする厚生年金保険料等より以前の滞納又は延滞金がないこと

e 原則として、猶予を受けようとする金額に相当する担保の提供があること

換価の猶予が認められた場合は、

① 猶予された金額を猶予期間中の各月に分割して納付することになります。

② 猶予期間中の延滞金の一部が免除されます。

③ 財産の差押や換価(売却等現金化)が猶予されます。

猶予期間は、原則1年の範囲内で年金事務所が認めた期間となります。

「納付の猶予」の概要

猶予の要件は次のとおりです。

a 次のいずれかに該当する事実があること

・財産につき、震災、風水害、落雷、火災その他の災害を受け、又は盗難にあったこと

・事業主又はその生計を一にする親族が病気にかかり、又は負傷したこと(個人事業所)

・事業を廃止し、又は休業したこと等)

b aの該当事実により、納付すべき厚生年金保険料等を一時に納付することができないと認められること

c 申請書が提出されていること

d 原則として、猶予を受けようとする厚生年金保険料等の金額に相当する担保の提供があること

納付の猶予が認められた場合の効果は、上記「換価の猶予」と同じです。

詳しくは、下記ホームページをご覧の上、管轄の年金事務所までお問い合わせください。

【日本年金機構「新型コロナウイルス感染症の影響により厚生年金保険料等の納付が困難となった場合の猶予制度について」】

https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2020/202003/20200304.html

70歳までの就労確保が努力義務に ~改正高年齢者雇用安定法成立へ                    R2 年5 月

改正高年法が成立

新型コロナウイルスに関する騒動のなかで、大きく報道される機会が減ってしまった印象の今国会審議中の改正法案ですが、3月末に、従業員の70歳までの就労確保を努力義務とする改正高年法(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律)が雇用保険法や労災保険法などとあわせて成立しました。来年4月の施行とされています。

 

65歳から70歳までの高年齢者就業確保措置が努力義務に

現在、平成25年改正により、65歳までの「高年齢者雇用確保措置」が企業に義務付けられています。「高年齢者雇用確保措置」とは、「定年の引上げ」「継続雇用制度の導入」「定年の廃止」のいずれかの措置をいい、あくまで「雇用」を前提としたものになっていますが、今回の改正では、65歳から70歳までの「高年齢者就業確保措置」として、これらに加え、労使で同意したうえでの雇用以外の措置(継続的に業務委託契約する制度、社会貢献活動に継続的に従事できる制度)の導入のいずれかを講ずることを、企業の努力義務にするとしています。「再就職支援」、「フリーランス契約への資金提供」や「起業支援」など、これまでの考え方にない措置が登場している点は注目に値します。

高年齢者就業確保措置の実施や運用の詳細については、今後指針が出される予定です。施行まで1年と短いですので、最新情報を注視していく必要があります。

 

今後の雇用の在り方について検討を

今回の改正は、現状、努力義務とされていますが、将来的には義務化も検討されています。高齢者の雇用については、年金法の改正による老齢年金の受給開始時期の拡大や雇用保険法の改正などとも密接に絡み合うものです。少子高齢化や労働力人口の減少は避けられない状況のなか、企業としても、高齢者雇用をはじめとした、これからの雇用の在り方をしっかり検討していきたいところです。

 

在宅勤務の長期化に備えて情報発信も必要                                             R2 年 5 月

在宅勤務に関する意識調査

BIGLOBEが3月に行った「在宅勤務に関する意識調査」によると、新型コロナ拡大防止のための外出自粛は、「4月までが妥当」と考えている方が多いようです。

ただ、事態の収束については、誰にも予想は難しく、在宅勤務が長期化した場合のことも想定しておく必要があります。在宅勤務を行う上で、難しい・ストレスに感じるものとして、同調査では、集中力が続かない、家を出なくなってストレスがたまる、上司や部下に気軽に相談や雑談ができないといった回答があります。

 

情報発信も必要

在宅で仕事をしていると、ともすると堕落してしまう傾向があります。また、外出自粛要請の影響もあり、ストレスもたまります。

業務に関することについては、仕事上のこととして対処しやすいとは思いますが、社員の健康確保のためのアドバイスを会社から発信することも、在宅勤務の長期化に伴って必要となってくる可能性があります。

大きな災害時における被災者の心理的反応として、初期の頃は災害後の生活に適応したかに見えるハネムーン期(積極的・発揚的な時期)があり、それを過ぎると、だんだんと幻滅期(消極的・抑うつ的な時期)がやってくるとされています。

 

社員の健康を見直すチャンス

今回のコロナ禍も災害としてとらえれば、長期化した場合を想定して、「閉じこもり生活のアドバイス、宇宙飛行士から潜水艦艦長まで 新型コロナ対策」(https://www.afpbb.com/articles/-/3275588)といった記事を紹介したり、室内でできる運動を紹介するといったことも考えられるでしょう。そこから何か仕事上のアイデアが生まれるかもしれません。また、職場の健康診断で生活習慣病の恐れを指摘されている方は、自身の健康を見直す機会になるでしょう。

 

BIGLOBE「在宅勤務に関する意識調査[第一弾]」】

https://www.biglobe.co.jp/pressroom/info/2020/03/200326-1

 

 

中小企業の連鎖倒産を防止する! 「経営セーフティ共済」            R2 年 5月

連鎖倒産のリスクヘッジに有効な「経営セーフティ共済」

「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)」をご存じですか?

特に中小企業の場合には、売掛金を回収して買掛金を支払うというキャッシュフローで回っていることが多く、突然取引先が倒産して売掛金の回収ができなくなると、自身の会社経営は健全であっても、キャッシュフローが回らなくなって連鎖倒産してしまう恐れがあります。経営セーフティ共済は、このような連鎖倒産のリスクヘッジに有効な制度です。

具体的には、取引先が倒産して売掛金の回収が困難になった場合や、臨時の資金が必要となった場合に、掛金に応じて一定の共済金を借り入れることができます。

 

制度の概要

経営セーフティ共済には、「1年以上継続して業務を行っている個人事業主もしくは法人」で、業種ごとに一定の「資本金の額または出資の総額」と「従業員数」のいずれかを満たしていれば、加入することができます。掛金は月額5,000円~20万円の範囲内で5,000円単位で自由に設定することができ、掛金総額が800万円に達するまで積み立てることができます。

取引先の事業者が倒産し、売掛金などの回収が困難になった場合には、その事業者との取引の確認が済み次第、無担保・無保証人で借入れを受けることができます。上限は、「回収困難となった売掛金債権等の額」か「納付された掛金総額の10倍(最高8,000万円)」の、いずれか少ないほうの金額です。

 

節税効果&解約手当金が受け取れるメリットも!

確定申告の際、掛金を、法人の場合には損金に、個人事業主の場合には必要経費に算入できるので、節税効果もあります。また、一定の月数、掛金を納めていれば、共済契約を解除した場合も解約手当金を受け取ることができます。

制度を運営する独立行政法人中小企業基盤整備機構によると、平成30年3月末時点で、約46万の企業・事業者等が加入しており、共済金の貸付実績は累計で約27万件、約1兆9,000億円となっています。中小企業の「万が一」をサポートする資金調達手段として、加入を検討してみませんか。

 

新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた職場における対応                           R2 年 5月

新型コロナウイルス感染症の大規模な感染の拡大防止に向けて、厚生労働省から労使団体に向けた要請が出されました(「新型コロナウイルス感染症の大規模な感染拡大防止に向けた職場における対応について(要請)」令和2年3月31日)。以下に、その内容を紹介します。また、これには「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト」が参考資料として添付されていますので、ぜひ活用するとよいでしょう。

職場内での感染防止行動の徹底

感染拡大防止には、換気の悪い密閉空間、多くの人が密集、近距離での会話の3つの条件が同時に重なる場を避けることが重要であり、職場においては次の対策が求められます。

・換気の徹底等……職場の建物の窓が開閉可能な場合は、1時間に2回程度、窓を全開して換気を行うこと。

・接触感染の防止……電話、パソコン、フリーアドレスのデスク等については複数人での共用をできる限り回避すること。物品・機器等について、こまめに消毒を実施すること。

・飛沫感染の防止……テレビ会議、電話、電子メール等の活用により、人が集まる形での会議等をできる限り回避すること。社員食堂での感染防止のため、座席数を減らす、昼休み等の休憩時間に幅を持たせて利用者の集中を避ける等の措置を講じること。疲労の蓄積(易感染性)につながるおそれがある長時間の時間外労働等を避けること。

・通勤・外勤に関する感染防止行動の徹底……出社・帰宅時、飲食前の手洗いや手指のアルコール消毒を徹底すること。時差通勤のほか、可能な場合には自転車通勤、徒歩通勤など公共機関を利用しない方法の積極的な活用を図ること。

・職場や通勤・外勤での感染防止のための在宅勤務・テレワークを活用すること。

風邪症状を呈する社員への対応

発熱、咳などの風邪症状がみられる社員(風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている場合など)については、新型コロナウイルスに感染している可能性を考えた労務管理をすることとし、具体的には、出勤免除(テレワークの指示を含む)を実施するとともに、その間の外出自粛を勧奨するなど、「出勤しない・させない」の徹底を全員に求めること。

特に、高齢者や、基礎疾患がある方、免疫抑制状態にある方、妊娠している方についての配慮が求められます。

新型コロナウイルス感染症の陽性者等が発生した場合の対応

社員が陽性者等であると判明した場合、速やかに会社へ電話・メール等により報告すること(報告先の部署・担当者、報告のあった情報を取り扱う担当者の範囲等)、社員が陽性者等になったことをもって、解雇その他の不利益な取扱いや差別等を受けることはないこと、必要に応じ、休業や賃金の取扱いなどに関することなどについての対応ルール等を決め、社員に周知します。

【厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の大規模な感染拡大防止に向けた職場における対応について労使団体に要請しました」】

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10631.html

改正健康増進法が全面施行 喫煙ルールがどう変わったのか?                          R2 年 5 月

オフィスを含む多くの施設が「屋内原則禁煙」に

 4月1日から改正健康増進法が全面施行され、望まない受動喫煙を防止するための喫煙ルールが大きく変わりました。同法により、2019年7月に学校や病院、児童福祉施設、行政機関等での「原則敷地内禁煙」が始まっていましたが、全面施行により、多くの施設が「屋内原則禁煙」になりました。

ただ、オフィスや飲食店等は、喫煙専用室と加熱式タバコ専用喫煙室の設置が認められています。また、加熱式タバコ専用喫煙室では、経過措置として、飲食等を行うことが可能となっています。施設に喫煙室を設置する際には、指定された標識の設置が義務付けられています。紛らわしい標識の掲示、標識の汚損等は禁止となっています。

また、20歳未満の人(従業員を含む)は、たとえ喫煙を目的としない場合であっても、喫煙エリアへの立入りは禁止となります。

 改正健康増進法では、施設の管理権原者(管理者)にこれらの行為の禁止が義務付けられています。違反した場合は、都道府県記事からの指導、勧告、命令が行われ、悪質な場合には企業名の公表や罰金が科せられることもあります。

 

その他留意すべき点

以上の措置が改定健康増進法において定められていますが、本法とは別に、各自治体個別の細かなルールが受動喫煙防止条例として制定されているので確認が必要です。

また、労働安全衛生法においては、事業者に対して屋内における労働者の受動喫煙を防止するための努力義務を課しています。これらの法律の規定により事業者が実施すべき事項をまとめたガイドラインが策定されています。詳細については、以下をご確認ください。

【厚生労働省「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」】

https://www.mhlw.go.jp/content/000524718.pdf

 

新型コロナウイルスとの関係

 呼吸器系、肺の専門家等からなる国際結核肺疾患連合は、喫煙者が新型コロナウイルスに感染すると、非喫煙者よりも重症化したり、死亡するリスクが高いことを指摘し、たばこ会社に対して製品の製造と販売停止を呼びかけました。

また、日本禁煙学会は、喫煙室は人が密集し、密閉空間であることから、濃厚接触の場となるおそれがあることをホームページに掲載し、すべての喫煙所、喫煙室の閉鎖を呼びかけています。

喫煙のリスクや喫煙場所の大幅縮小によって、喫煙者の禁煙を始めるきっかけになるかもしれません。