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人事労務管理最新情報

変化の激しい時代、人事を取り巻く状況も、常に変わっていきます。労働基準法をはじめとする法令はもちろん、労働市場の動向や各種アンケート調査の結果など、経営の視点で人事に関する最新の情報をピックアップしてお届けします。

H29年11月 2017年版「過労死白書」公表! 労働時間やストレス実態!
H29年11月「過重労働解消キャンペーン」が11月に実施されます!
H29年11月 人材確保策として有効? 今どきの「社員寮・社宅」事情
H29年11月 押さえておきたい 企業向けの「障害者雇用」支援策   
H29年11月「民間企業の勤務条件制度等調査」の結果にみる休暇制度の状況
H29年11月 冬を元気に乗り切るためのインフルエンザ、今年は早めの対策!
H29年11月「テレワーク・デイ」実施の効果と今後の動向

2017年版「過労死白書」が公表!労働時間やストレスの実態は?            H29年11月

過労死等防止対策推進法第6条に基づく年次報告書

厚生労働省は、10月上旬に2017年版の「過労死等防止対策白書」(いわゆる過労死白書)を公表しました。この過労死白書は、過労死等防止対策推進法第6条に基づく年次報告書であり、今回が2回目となります

2016年度の過労死に関するデータのほか、民間企業で働く2万人に労働時間やストレスについて聞いた2015年度のアンケート結果を分析しており、電通の違法残業事件や、それを受けた政府の緊急対策も紹介されています。

 

労働時間の把握による残業時間減が明確に

上記アンケートの分析では、フルタイムの正社員(7,242人)では、労働時間が「正確に把握されていない」人に比べ、「正確に把握されている」人は週あたりの残業時間が約6時間短く、「おおむね正確に把握されている」人で約5時間、「あまり正確に把握されていない」人でも約2時間短いことがわかりました。

また、残業をする際に「所属長が承認する」といった手続きを踏んでいると、残業が週34時間減ることも明らかになりました。

 

過労死等の業種別の傾向は?

2016年度に過労死や過労自殺(未遂を含む)で労災認定された人は前年度より2人多い191人で、近年は年間200件前後で推移して高止まりが続いています。

業種別では、運輸・郵便業41人、製造業35人、建設業23人の順に多く、運輸・郵便業では約2割が残業を週20時間以上しており、他業種より際立って多いことがわかりました。

一方、過去5年の過労自殺事例を年代別にみると、従業員100万人当たりの自殺者数は男性が40代(3人)で最も多く、次は50代の2.8人、女性は1020代が0.4人、30代が0.2人の順でした。

また、従業員100万人当たりの労災認定は、「脳・心臓疾患」「精神疾患」のいずれでも漁業が最も多いという結果も明らかになりました。

 

自営業者の長時間労働も明らかに

白書では、自営業者の長時間労働の実態も調査・報告しており、昨年、週60時間以上働いた自営業者の割合は13.6%で、全雇用者の平均(7.7%)を大きく上回りました。週60時間以上働いた自営業者のうち、80時間以上働いていたのは1.5%。労働時間や日数の把握方法については、全体の73.4%が「特に把握していない」と答えています。

厚生労働省ではこれらの調査結果をもとに、労働時間の適正な把握を促して長時間労働の是正を図るとともに、事業主に対する監督指導の徹底、労働者に対する相談窓口などの充実などで、過労死等ゼロに向けた取組みを強化するとしています。

「過重労働解消キャンペーン」が11月に実施されます!                               H29年11月

「過重労働解消キャンペーン」とは?

長時間労働対策の強化が喫緊の課題となっている中、厚生労働省では「過労死等防止啓発月間」の一環として「過重労働解消キャンペーン」を11月に実施し、長時間労働の削減等の過重労働解消に向けた取組みを推進するため、使用者団体・労働組合への協力要請、リーフレットの配布などによる周知・啓発等の取組みを集中的に行うそうです。

実施期間は111日~30日となっています。

 

主な実施内容

(1)労使の主体的な取組の促進

使用者団体や労働組合に対し、長時間労働削減に向けた取組みに関する周知・啓発等について、厚生労働大臣名による協力要請が行われ、労使の主体的な取組みが促されます。また、都道府県労働局においても同様の取組みが行われます。

(2)労働局長によるベストプラクティス企業への職場訪問

都道府県労働局長が長時間労働削減に向けた積極的な取組みを行っている「ベストプラクティス企業」を訪問し、取組事例をホームページなどで地域に紹介します。

(3)過重労働が行われている事業場などへの重点監督

<監督の対象となる事業場等>

・長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場等

・労働基準監督署およびハローワークに寄せられた相談等から、離職率が極端に高いなど若者の「使い捨て」が疑われる企業等

<重点的に確認される事項>

・時間外・休日労働が「時間外・休日労働に関する協定届」(いわゆる36協定)の範囲内であるか(法違反が認められた場合は是正指導)

・賃金不払残業が行われていないか(法違反が認められた場合は是正指導)

・不適切な労働時間管理については、労働時間を適正に把握するよう指導

・長時間労働者に対しては、医師による面接指導等、健康確保措置が確実に講じられるよう指導

<書類送検>

・重大・悪質な違反が確認された場合は、送検、公表

(4)電話相談の実施

都道府県労働局の担当者による、フリーダイヤルでの相談、助言、指導が行われます。

(5)キャンペーンの趣旨などについて周知・啓発

(6)過重労働解消のためのセミナー開催

全国で合計66 回、「過重労働解消のためのセミナー」が開催されます(参加無料)。

人材確保策として有効?今どきの「社員寮・社宅」事情
H29年11月

ねらいは優秀な人材の確保

今、社員寮や社宅を復活させたり充実させたりする企業が相次いでいるようです。

福利厚生の充実ぶりをアピールすることで、優秀な人材を確保したいという企業側のねらいが背景にあるようです。

 

今どきの社員寮・社宅

これまでも、企業は採用状況が厳しくなると社員寮の充実に力を入れる傾向がありましたが、昔のような相部屋では、今どきの若者には敬遠されてしまいます。

そのため、家賃が安く、なおかつ“プライバシーが確保されつつも、入居者同士が適度に付き合える”環境を整備した社員寮が人気のようです。

 

社員寮・社宅の効用

人材確保という面では、社員寮に入居すれば社員の親にも安心してもらえるので、採用活動にプラスになるというメリットがあります。また、食事の提供などによって社員の健康対策・メンタル対策としての役割や、災害時には社員の安全を守り、業務の早期復旧を目指すという目的もあるようです(実際、社員寮に非常食や発電機、防災井戸を備えている所もあるそうです)。

他にも、自社の社員だけでなく、複数の企業の社員が共同で暮らす社員寮も出てきており、会社の枠を超えての交流ができると人気のようです。

このように、社員寮は人材の確保・離職防止に役立つだけでなく、共同生活によって社員同士のコミュニケーションが増えることで連帯感が生まれたり、職場の活性化にもつながったりすることから、会社だけでなく社員の側からもその重要性が見直されているようです。

社員寮・社宅は、運営コストかかり業務が煩雑であるため、企業にはそれなりの負担がかかりますが、それ以上の効用が会社・従業員双方に期待できそうです。

 

社宅がある企業の割合

人事院が行った「平成28民間企業の勤務条件制度等調査」の結果によると、常時従業員数50人以上の全国の企業4,438社のうち、社宅を有する企業の割合は46.8%となっています。

また、保有形態別(社宅を有する企業を100とした場合)でみると、自社保有社宅を有する企業の割合は31.2%、借上げ社宅を有する企業の割合は92.2%となっています(複数回答)。

押さえておきたい企業向けの「障害者雇用」支援策                         H29年11月

高まる障害者雇用に対するニーズ

近年、障害を持っている方に対する就労支援が各方面から進められているところです。また、来年4月からは、障害者雇用率の算定基礎対象に精神障害者が含まれるようになり、法定雇用率が引き上げられます。そのため、精神障害者の雇用をはじめとして、企業の障害者の雇用に対するニーズはますます高まってくることが予想されています。

 

国による雇用支援も

国も障害者雇用支援については、様々な施策を講じています。

例えば、障害者を新たに雇い入れ場合、障害者が働き続けられるように支援する場合には各種助成金が用意されており、企業の障害者雇用促進のために利用されています。

また、税制面からも、障害者を多数雇用する企業に対しては、機械等の割増償却措置(法人税・所得税)、助成金の非課税措置(法人税・所得税)、事業所税の軽減措置、不動産取得税の軽減措置、固定資産税の軽減措置など税制優遇制度が設けられています。

 

精神・発達障害者しごとサポーター養成講座

労働局・ハローワークでは、今秋から一般の従業員を対象として、精神障害や発達障害について正しく理解し、職場における応援者(精神・発達障害者しごとサポーター)となってもらうための講座を開講しています。

精神・発達障害についての基礎知識や一緒に働くために必要な配慮などを短時間(90分~120分)で学ぶもので、企業で働いている方であれば誰でも受講可能となっています(今現在、障害のある方と一緒に働いているかどうか等は問われません)。また、ハローワークから講師が事業所に出向く出前講座も行っているようです。

 

様々な支援を活用する

雇用される障害者数は年々増加しています。ただ、一度も障害者を雇用したことがないという企業にとっては、まだまだハードルが高いところでしょう。また、すでに雇用している企業であっても、スムーズに対応できていないという面もあるかもしれません。

今後は、上記のような様々な支援を活用することで、企業、従業員双方にとって、より良い形の障害者雇用を進めていくことが考えられるところです。

「民間企業の勤務条件制度等調査」の結果にみる休暇制度の状況         H29年11月

休暇等関する基礎資料

「民間企業の勤務条件制度等調査」は、人事院が、国家公務員の勤務条件等を検討するにあたっての基礎資料を得ることを目的として、民間企業の労働時間、休業・休暇、福利厚生および災害補償法定外給付等の諸制度を調査するものです。

今回は、平成29928日に公表された平成28年分の調査結果から、休暇制度に関するものを見てみましょう。なお、常勤従業員数50人以上の全国の7,355社を対象として行われました(調査に適格な4,438社について集計。内容は平成28101日現在におけるもの)。

 

失効年次有給休暇の積立制度

失効した年次有給休暇を積み立てて使用することができる制度がある企業は、正社員に関して制度がある企業で平均29.6%となっています。規模別では、従業員500人以上の企業では54.6%、100人以上500人未満では31.0%、50人以上100人未満では19.2です。

一方、有期雇用従業員(労働時間が正社員の4分の3を超える従業員。以下同様)に関して制度がある企業で平均12.1%となっており、正社員に対するものと比較して導入率は低くなっています。

また、正社員に失効した年次有給休暇を積み立てて使用することのできる制度がある企業の中で、積立年休に使用事由の制限がある企業は74.9%となっています。こちらは、規模の大きい企業ほど制限のある場合が多く、500人以上規模では91.8%、50人以上100人未満では55.9%です。制限事由別の割合(平均)としては、私傷病(96.4%)、介護(58.3%)、看護(46.2)、その他(39.7)などで、だいたいどの企業規模でも制限事由の設定については、同じような割合となっています。

 

有期雇用従業員の年次有給休暇以外の休暇

年次有給休暇および失効年次有給休暇の積立制度の制度とは別に、有期雇用従業員に対する休暇制度についても調査されており、次のようになっています(平均値)。

・私傷病休暇がある企業…21.1

・夏季休暇がある企業…31.9

・結婚休暇がある企業…57.1

・有給の子の看護休暇がある企業…19.8

・有給の介護休暇がある企業…18.3

冬を元気に乗り切るために… インフルエンザ、今年は早めに対策を!            H29年11月

早くも流行の兆し

今冬は寒さが厳しくなると言われる中、例年は12月から始まるインフルエンザの流行が、今年はすでに10月上旬から意識され始めています。

インフルエンザで会社を休む従業員が続出して困った…という経験を持つ企業は少なくありません。納期を守れず顧客に迷惑をかけてしまったり、営業活動に支障が出て業績が落ちてしまったりするなど、深刻な問題となることもあります。

インフルエンザはいったん流行すると爆発的に広がるため、流行前からの注意が必要です。

 

早めに対策を講じることが重要

流行期が例年よりも早いため、今年は特に、早めの予防対策の徹底など注意が必要なシーズンだと言えます。

予防方法として最も有効で効果が高いのは、インフルエンザワクチンの接種です。しかし、通常、接種の効果が現れるまでには約2週間かかります(その後は、約5カ月程度は効果が持続します)。

本格的な流行が始まる前に予防接種を受けておくよう、アナウンスすることが望ましいでしょう。

 

職場でできる予防方法

空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなると言われています。加湿器などを使って職場を湿度5060%に保つことも効果的です。

また、ウイルスは「手」を介して体内に侵入することが多いため、これを遮断するために、手洗いを正しい手順で行うほか、アルコール手指消毒剤を活用することも有効です。職場にアルコール手指消毒剤を備えておけば、それだけでも予防対策の効果は上がります。

なお、インフルエンザの流行動向は、国立感染症研究所のホームページなどでチェックできますので、随時チェックしておきましょう。

「テレワーク・デイ」実施の効果と今後の動向                H29年11月

「テレワーク・デイ」とは?

政府は、今年初めて「テレワーク・デイ」を実施しました。

この「テレワーク・デイ」は、2020年の東京オリンピックの開会式の日にあたる724日に合わせて定められ、オリンピック会期内の交通混雑を回避するため、朝の通勤電車や自家用車などを極力使わずに在宅勤務やモバイルワークなどのテレワークを活用するよう呼び掛ける運動です。

今年は922の企業や団体、官公庁の約63,000人が参加しました。

 

混雑緩和の効果あり!

先日行われた「テレワーク・デイ」に関する報告会では、参加企業の多かった地域では当日の午前10時台の人口が7月平均と比べ減少し、特に豊洲エリア(東京)では約15%減少したことが明らかになり、交通機関の混雑緩和の効果が表れました。

また、来年は複数の日で導入する方針も示し、参加団体数や参加人数の増加、効果の測定項目の充実を図るとしています。

 

参加企業の反応は?

カルビー株式会社の丸の内本社では、「テレワーク・デイ」に約8割(270人)の従業員がモバイルワークを利用しました。実施後のアンケート結果では、多くの利用者が業務効率向上、ライフワークバランス向上につながったと実感し、94%が「今後もモバイルワークを利用したい」と回答しています。

また、「通勤ラッシュの疲労がなくなり通勤時間を仕事にあてられるので効率的である」という声もあがりました。

 

ガイドラインが刷新されます

厚生労働省は10月、「第1回 柔軟な働き方に関する検討会」を開催し、テレワークの現状と課題について議論が行われました。その場で、事業者と雇用契約を結んだ労働者が自宅等で働く雇用型テレワークについては、「スマートフォンやサテライトオフィスの普及といった仕事環境の変化に対応し、長時間労働を招くことがないように留意しつつ、その普及を図るため、労務管理などに関するガイドラインを刷新する」としています。

ガイドラインでは、在宅勤務以外のサテライトオフィス勤務、モバイル勤務の活用方法や、長時間労働対策についての具体的な施策を追加するとしています。

今後、ガイドラインが刷新されテレワークの普及、企業への導入が加速することが期待されます。