企業年金Q&A

●まずは骨太の方針を決める
まずは、改革の方向性を決めることが大切です。退職金制度の検討がスタートすると、細かな各論の検討に労力を費やしその間に方向性が見えなくなるというおそれがあります。まず経営サイドで人事・財務面の長期的な視点に立って、制度改革の目指すべき方向を最初に明確にしておく必要があります。

●最初の方針決定を経営者参加で
退職金改革プロジェクトと他の業務プロジェクトとの相違は、経営サイドの求める方向性と社員の短期的な利害が必ずしも一致しないことにあります。ところが実務上は詳細な専門知識が必要となる為、経営者も検討のスタートラインから担当者に任せ切りの状態になりがちです。経営サイドに立ち、かつ社員の利害を調整した方針決定は、トップダウンで行う必要があります。

●中小企業退職金共済・401K制度・確定給付企業年金制度の選択は、
  方向性が決まってから


まず検討して頂くことは、退職金制度の目的・方向性を明確にすることが重要です。制度として中小企業退職金共済401K制度・確定給付企業年金制度の選択は退職金改革の方向性が決まった後でも間に合います。

Q1. 現在、適格退職年金を採用しており、次の移行先を検討中ですが、それぞれ制度のメリット・デメ
    リットがあり結論がでません。


(A) 適格年金の廃止が決まって以降、各種セミナーや金融機関からのアプローチなど企業側が情報
   過多になり混乱されているケースが見受けられます。制度を検討していく過程で、細部にまで目が
   行き過ぎると退職金問題の全
   体像が見えなくなります。まずは、現状の問題点の把握と将来の人事制度の中での退職金制度の
   位置づけを明確にすることが必要です。弊社がお手伝いする場合は、まずはそれぞれの制度に基
   づいたモデル制度を試作
   し、会社のご要望に最も合致した制度を第1候補として決定します。この時点では細部の問題点は
   残っていますが、問題点に対しては個別に解決策を検討していきます。


Q2.適格退職年金の移行期限は平成24年3月となっていますので、まだ数年の猶予があります。
   移行を急ぐ必要があるのですか?


(A)会社にとって最適な制度に移行することが目的ですので、早く移行すれば良いということではありま
   せん。移行期限までに更なる法改正の可能性や、受託金融機関側の新たな商品対応なども考えら
   れますので、拙速に移行する必要はありません。ただし、事例の中には
   *適格年金の実質利回りがマイナスで、早期に移行することにより実質的な利回り向上が期待出来
    る。
   *適格年金の積立資産が、従業員の自己都合要支給金額を超えており中小企業退職金共済や40
    1K制度へ移行すると退職金規程を超える資産が移管される。
   *旧来の退職金規程が会社の現在の人事方針と整合性が取れなくなっている。
   *団塊世代の退職が重なり、退職金支払い負担が過大になりつつある。
    以上のようなケースは早期に移行するメリット、又必要があります。まずは退職金・企業年金制度
    改革において、現状の問題点を正確に分析し把握しておくことが不可欠です。
    もし現状分析がまだの場合は、早期に実施されることをお勧めします。

Q3.現状分析を依頼するとどんなことがわかりますか?

(A) 在籍従業員様の年齢分布・勤続年数別分布などの人事構成、現行退職金規程に基づく モデル退
    職金水準、今後の定年退職金の年度別金額推移、適格退職年金をご採用の場合は、
   適格退職年金の財政分析を行います。
    これらのデータを分析することにより、現行制度の状況・問題点が明確になります

Q4.金融機関が同様の分析資料を作成してくれましたが、そちらの作成資料とどのような相違がありますか?

(A) 作成される基本データは重なるものがありますが、重要なのは分析データに基づいて御社の
   正しい方向性を導き出すことです。
   一定の制度を前提とした分析ではなく当社の分析は正しい出口を見けるための業務になります。

Q5.実際の改革作業にはどのくらいの期間がかかりますか?

(A) 制度内容や会社規模、また労使合意の進捗状況、労働組合の有無などにもよりますが、
    おおむね最終の完了までに6ヵ月から1年程度の期間が必要になります。
    打合せの頻度、また労使合意の進捗状況により期間は変動しますが、受託金融機関との
    事務手続きに要する日数などを考慮すると、少なくとも6ヵ月程度は必要になります。

Q6.退職金の前払制度導入の話題を聞きますが、実際の事例などはありますか?

(A) 退職金の前払い制度は大手企業の導入により話題となり、導入を検討する機会は多くなり ました
   が、実際に導入に至るケースはまだ少数です。これは
   1、退職金制度上は前払いであっても、税務上また社会保険上は通常の給与とみなされ、
      税負担および社会保険料負担が増加する。
   2、公的年金制度の将来像が不透明であり定年退職後のライフプランを考えたとき、従業員側にも
     不安が残る。などの要因が挙げられます。 ただし、会社の経営方針・人事方針により、既存の退
     職金制度と前払い退職金制度を選択可能とする方法など今後検討される企業は増加が予想さ
     れます。

Q7.適格年金の移行先を検討していますが、企業規模から中小企業退職金共済制度への移行ができ
    ません。どんな選択肢がありますか?


(A) 現時点での移行先は、確定拠出年金(401K)、もしくは確定給付企業年金
    (キャッシュ バランスプラン含む)の2つからの選択となります。
    現在商工会議所が「特定退職金共済制度」への移行を可能にするよう働きかけをしており、将来
    移行先として「特定退職金共済制度」が加わる可能性もありますが現時点では未定です。
    当社は従業員100名以上企業様に対して確定給付企業年金(キャッシュバランス制度含む)への
    移行を可能にする体制をとっております。
    各金融機関からは確定拠出年金(401K)の案内情報は比較的よく提供されていますが、確定給
    付企業年金(キャッシュバランス制度含む)の情報はほとんどなされていないのが現状です。
    当社では選択肢の一つとして確定給付企業年金(キャッシュバランス制度含む)も含めた検討
    を行います。

Q8.適格年金以外のも総合型厚生年金基金に加入しています。適格年金制度を移行するにあたって
    厚生年金基金の扱いをどうするかが検討課題となっています。


(A) このところの運用状況の好転により、総合型厚生年金基金にも解散する基金が増加してきてい
    ます。ご加入中の厚生年金基金の解散が予想される場合は、解散後のことも考慮に入れながら適
    格年金の見直しを検討する必要があります。 そのためにもご加入中の厚生年金基金の制度内容
    および財務検証、自社退職金・企業年金制度との位置付けを充分整理しておく必要があります。


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